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さて、いよいよ【二郎はなぜうまいのか?】編もいよいよ最終回の[総括]となりました。

「徹底的に科学的においしさを解明してみよう!」
と思い立って、今まで色々講釈を垂れてきたけどコレでおしまい。

今回の[総括]をもって、二郎のおいしさの科学的な解明を書ききろうと思うので、少々お付き合い下さい!


さて、ここで少し今までのおさらい。

では、二郎の麺というのは、

"強力粉"によって、麺のコシが強い
"精製度が低い"によって、小麦の香りが強い
"低加水率"によって、小麦の密度が高く、弾力が強い
"超極太麺"によって、歯応えが強い

という【4強】の麺だということを説明し、

にて、二郎のスープは。

極大の旨味×極大の脂肪分/乳化=中毒性

という黄金の方程式で成立していることを証明し、

では、二郎の具は、

ヤサイの茹で加減と、スープとの相性
ブタの火入れの巧みさ
アブラのコストパフォーマンス&ビジュアル性
ニンニクの効能と適切な活用

という巧みさが込められていることを解明した。

さて、今回は[統括]として、今まで説明した知識を下敷きにしたうえで、二郎のラーメンを食べた時にどういう要素が、人々の心を捉え、「うまい!」につながるのかを科学的に解説したいと思う。

結論として・・・・
二郎のラーメンを食べたときに「おいしい!」と感じさせる要素は、2つのポイントによって説明できるのではないかと思う。

それでは、それぞれ説明していこう!

【一体感】
日本料理の世界で言われていることなのですが、"丼"の命は"一体感"なのだそうです。
俺は、以前3~4週間程にわたって「親子丼研究」を行なったのだが、その中で大量の文献を読む中で発見した最大の共通項は、「親子丼で大切なことは『具を同一の大きさにカットすること』であった。
それによって、口に丼の中身をかきこんだ時に、米と具のバランスが心地よい一体感になることを狙っているとのことだった。 
そして、丼物に卵とじがあるのは、卵のトロミによって、具・割り下・飯の一体感を求めてのことから発想されたらしい。
ラーメンは丼に入れられた食べ物なので、やはり丼の中での"一体感"がおいしさにとっての重要な要素であることが推測される。

さて、二郎のラーメンを"一体感"という視点で捉えてみよう。
まず、二郎ラーメンの成分上で最も大きい割合を占める[超極太麺]。
あの超極太麺との一体感を求めるのならば、相応の強さのスープを求められる。
では、スープの[強さ]とは何か?
ここでは、

[強さ]=[塩気]+[油脂分]+[旨味]

として考えたい。

[塩気]
二郎ラーメン(小)の食塩相当量は[4.6g]であるらしく、通常の醤油ラーメンは[3.4g]
驚きの[1.2g]の差!!
ここで、「たった1.2gの差じゃん?」って思われる方もいるかもしれないが、それは違う!!
料理を作る上で、1.2gの塩というのは、相当なもんです。
軽く説明すると、食材に対しての塩分の適切量は[0.8%]です。

じゃあ、
【1.2gの塩を使用して、0.8%の塩分割合にすると、何gの食材量に相当するか?】
100÷0.8=125 1.2×125=150
そう、つまり[150g]あたりの食材量に相当するのです!!
通常のラーメン屋の一人前あたりの麺量が160gなので・・・
約一人前の麺を適切な塩分量に出来る量とほぼ同じ!!
すごいでしょ?
いかに、二郎のラーメンの塩分量が多いか、ですよ!
[油脂分]
二郎ラーメン(小)の脂肪量は[107.6g]、通常の醤油ラーメンは[21.8g]
約5倍です!!

[旨味]
二郎のラーメンの旨味を計るスコアはないのだが、
二郎では、使用するチャーシュー(ブタ)が、一般の醤油ラーメン屋の5倍~8倍。
このチャーシュー(ブタ)はスープで煮込むため、豚肉由来の旨味成分:イノシン酸は、通常のラーメン屋の5倍~8倍溶けている、と考えられる。
そして、使用する化学調味料:グルタミン酸も5倍~10倍位は使用していると思われる。
その為、全体での旨味量は少なくとも、通常のラーメン屋の5倍は超えると計算できる。

さて・・・
[1.2gも多い食塩]+[5倍の油脂分]+[5倍以上の旨味成分]
は、市場には他に存在しないほどの[超極太麺]に合わせるにふさわしい[強さ]を兼ね備えていると言えるのではないだろうか?

そして、そのスープの強さあってこそ、大量のヤサイを受け止めることができ、ヤサイからは「サッパリ感」も与えてもらえている。
また、ラーメンの醤油タレに漬け込まれたブタは、ラーメンとの相性はばっちりだし、ヤサイともとても合う。
そして、そのブタもスープも、ニンニクとの相性が科学的にも立証されている(※スープ編参照)。
これらの全てにおいて好相性の要素が絡み合い、あの一体感が生まれている。 

この全体の一体感と、[強さ×強さ]のハイブリットなバランス感が二郎のおいしさの秘密だろう。

【食感】
二郎のおいしさは、ちまちま食べてたんじゃ分からない。
豪快にズズッ…ゾーーーーーッ!!ってすすってこと、快感を伴うおいしさをガツンと感じられる。
実は、二郎のおいしさは、「食感」の面からも説明ができる。

二郎の麺は超極太の硬麺で、上にシャキシャキ野菜が乗っている。
それを、一気にすすりこむと、口の中で麺・野菜が跳ね回り口の中にたくさんの物理的刺激を与える。
これにより、口内のノドの入り口付近の天井部分にあたる「軟口蓋」という部分が刺激される。
実は、この「軟口蓋」という部分、生殖器と同じくらい敏感といわれている器官なのです。
軟口蓋が刺激されることにより、脳内麻薬β-エドルフィンが分泌され、「また食べたい!」という中毒性に繋がる。

二郎の超極太麺が市場にないのなら、軟口蓋をこんなにも刺激するラーメンはラーメン二郎のみ、ということになるでしょう。
この唯一無二の食感が、二郎のおいしさの秘訣であり、他の追随を許さぬ独自性でもあるわけだ。



・・・さて、今までの[麺編][スープ編][具編]に加えて、今回の[一体感]と、[食感]をもって二郎のおいしさの解明とさせていただきたい。

実は、もう一つ語りたいことがある。
7年ほど前だろうか、二郎にドハマリして週に2~3回欠かさず二郎を食べていた時に、ある二郎の店長(随分と長いこと店長をやっていた方)と二郎について熱く語ったことがある。
その時に店長が、

「東山くん、僕はね、二郎のラーメンっていうのは、ラーメンというより『メシ』だと思ってるんだわ。メシだからたくさん食べてほしいし、野菜もたっぷりとってほしい。そして、毎日食べても食べ飽きない、何度も食べたくなる味を目指しているんだよ」

と仰られたのです。
感動しました。
その店長はブタとヤサイの盛りが豪快で有名な方だったのですが、その真意にはお客さんに対する深い心遣いと、『愛』が隠されていたのです。

今まで、科学的なアプローチをもって色々説明をしてきましたが、本当の二郎のおいしさの秘密は『愛』なのかもしれませんね!

さすがのCooking Maniacも『愛』だけは科学的に解明できないので、こっから先はお手上げ!!
ってことで、【二郎はなぜうまいか?】を幕引きにしたいと思います~!

今までの【二郎はなぜうまいのか?】シリーズはコチラ!
も是非~♪

あと・・・・
も書きました!
是非♪ 

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