您好!!
私、約2年前に中国・四川省まで中国料理を学びに行って参りましたが・・・
↓こちらの記事
中国・四川レポート ~街の食堂から屋台まで、四川の食事情徹底紹介~
中国の中で最も栄えている都市『上海』はかなり食のレベルが高く発展しているとの噂を聞きました。
『上海で成功した飲食店は中国全土のどこに飲食店を展開しても必ず成功する』
と言っていたほど。
深遠なる食文化をもつ中国料理の最先端をいく上海。
となれば、中国料理マニアを自称する私が行かないわけにはいきません!!
ということで、実際にリサーチに行って参りました!

上海を散策していて気になった食べ物をたくさん紹介します!

点心4種盛 約1000円
まず、上海浦東(プドン)空港に到着して食べたもの。
カフェの料理なのですが、めちゃくちゃ本格的な中国料理!さすが本場!
上から時計回りに、蟹味噌小籠包、焼売、エビ蒸し餃子、翡翠餃子という構成。
これ、ものすごく美味しかった!
まず、皮が圧倒的に美味しい!!!!
全体的にモチモチ感が強くて、喉に張り付くようなペタッとした官能的な肌触りがあり、日本の点心よりも生地が厚いのに滑らかだから粉っぽくない。
それに小麦自体の質が高いのか、生地自体の旨さも感じられるんですよ。
中国は北と南で主食が小麦文化・米文化に分かれているので、小麦の扱いに関しては長い歴史のバックグラウンドに支えられているわけです。『さすが!』と唸るしかない美味しさ。
中の餡に関しては、日本で食べられるものより、良い意味で『旨味に支配されていない』味わいでした。
日本の点心は、化学調味料を結構効かせていたり、旨味を強く出そうとしている意図を感じられることが多々あるのですが、上海のものは旨味がありつつも素材の味を引き出し、複合的に組み合わせることで、味わいに厚みを持たせているような感じがしました。
・・・といきなりかなりの長文を書いてしまいましたが、上海滞在中にかなり感動した食べ物だったのでご容赦ください(汗)

肉ワンタン 約150円
上海の繁華街にある、半分屋台のような小さな飲食店で食べた料理。
ワンタンを茹でた汁に20個近くワンタンが入っていて、150円は安い!

一口サイズのワンタンは舌触りが滑らかで、チュルンと食べられてしまいます。
具材は肉のみ。
味としては美味しいのですが、とにかく塩気が薄すぎる!
これに酢醤油のタレをかけて食べたりしたら美味しいのでしょうが、卓上には一切そういうものはなし!
多分、料理人の味覚や技術うんぬんじゃなくって、こういう食べ物なんだろうなぁ・・・

肉水餃子 200円
先ほどのワンタンと同じ店で食べたもの。
200円で10個は安い!!
皮はモッチモチのツルツルで、肉の割合が9割ほどを占めるであろう水餃子はかなり美味しい!
・・・のだが、これまた塩気が薄い!!!!
酢醤油が欲しいーーー!!!

中国には朝食を大事にする食文化があります。
なので、朝の繁華街を歩いていると、朝食を売っているお店がたくさん。
その中でも行列ができているお店があり、立ち寄ってみるとなんだか珍しい食べ物が!

鮮肉月餅 約100円
ブリオッシュ生地のような、サクサク、ふかふかしていて、甘みのある生地に挽肉を詰めて焼き上げたもの。
記事にバターがたっぷり練りこまれているような感じがあり、これ一つでもなかなかの食べ応えがありました。
甘じょっぱくて、旨味があり、ハマるとクセになりそうな味。

大肉粽 約200円
大きな肉が入ったちまきです。
ちまきって最高に美味しい食べ物だと思うのですが、これが手軽に食べられるって最高か!?

200円なのにこの大きさ!
コンビニのおにぎり3つ分はありそうな重量感。

まるでちまきを縦断するかのごとく巨大な肉が入っておりました。
肉は、豚ばら肉の角煮。
そして、これ最高に美味い!!
色は濃いですが、味は濃すぎずちょうど良い塩梅。
モッチモチの飯を噛むと、柔らかく煮込まれた肉が口の中でほどけて混ざりあう・・・
これが200円で買えたら毎日買っちゃうな、って思いました。

ファミリーマートのちまき 約150円
上海にはファミリーマートが多いのですが、日本では見かけない食べ物だらけでかなり楽しい!
中でも、ちまきの米を焼売のように小麦粉の生地で包んで蒸しあげた、という珍しい食べ物がありました。
これは、なんというか想像通りの味・・・

麦入りミルク(アボカド&バナナ味) 約150円
これ!!めちゃくちゃ美味しくて感動した飲み物です!!!
ファミリーマートに売っているので、上海に行く方は絶対飲んでほしい!
味としては、牛乳と生クリームを1:1で割って、ほんのり甘みをつけて、アボカドとバナナのピューレを加えて、茹でた押し麦を少しだけ入れた、という感じ。
ミルク感がかなり濃厚で、なのに甘みは控えめ、とその時点でかなり美味しい。
そこに加えて、アボカドのコク、バナナの風味がして、さらにプチプチした麦が入っているのです!
超絶おすすめです!

繁華街で常に行列が絶えなかった、人気のお菓子店。
どんなお菓子か分からずに並んでみて、みんなが買っているものを買ってみました。

蟹黄酢松小貝 約200円
持った感じは、重量が軽く、ふかふかしていて、柔らかい。
全く味の想像ができないままかぶりつきましたところ・・・


上海には、フルーツ屋がたくさんあって、深夜まで営業してくれてるのが嬉しいところ。
しかも、グラム売りしてくれるので、これだけかいつまんでも100円しないくらい。
写真中央の、赤茶色のフルーツが陽梅(ヤンメイ)といって、6月中旬の2週間くらいしか出回らないフルーツらしく、大変美味。
今まで食べたどのフルーツにも似ていない味で、シャクシャクしていて、甘くて、酸味が少なくて、ジューシー。

フレッシュライチジュース 1150円
上海人はフルーツが好きなのか、フレッシュジュース屋がたくさんありました。
中でも、皮付き生ライチをその場で剥いて作るフレッシュジュースは、今まで飲んだジュースの中で一番美味しかった・・・

氷魔栗 100円/100g
凍らした甘栗が売られていました!
日本ではお見かけしたことのない一品。
甘栗を凍らしてみても美味しそうに思えないのですが、果たして味はいかに・・・

凍らした甘栗なのに、皮付き、というところに中国人の甘栗に対するこだわりが感じられます。
味は・・・やばい、美味しい!
これですね・・・あずきバーに似てます!(笑)
噛むとかなり硬くて、それでも力を加えると急遽崩れて、ほろっとした食感。
甘みは甘栗の甘さでやさしい甘さ。
そして、後味のまったりとしたコク。
手もベタつかないし、甘さは控えめだし、夏の街歩きに最適なスイーツだと思いました!
日本でも食べられるようになったら流行ると思うんだけどなーー!
しかし、中国全土の料理が集まる大都市上海では、上海料理を出すような専門店を見つけることができませんでした。
ので、様々な飲食店を回って食べた料理を紹介していきたいと思います!

田うなぎの甘辛炒め 約500円
中国人は田うなぎを大好きな人が多いです。
うなぎとドジョウの中間のような味わいで、ヌメッとしていて、ザクッとした食感。
その田うなぎを、醤油ベースで甘辛く強火で炒めた料理。
熱々の炒め物の上に、生にんにくのみじん切りをオイル漬けにしたものを乗せるテクニックめちゃくちゃ良いなーー!という発見。

牛肚干鍋 約450円
この、干鍋という料理、初めて食べたのですが素晴らしい料理法!
鍋に、炒めた料理を調味料を入れて、卓上コンロで熱しながら食べるのですが、ずっと熱々で食べられるし、終盤には調味料が煮詰まって味が濃くなる変化も楽しめる!
今回食べたのは、牛モツと野菜の甘辛炒め的な干鍋だったのですが、旨味のインパクトがしっかりあってめちゃくちゃ美味しかった!

春巻 約200円
日本の春巻きとは結構違う印象です。
中の餡は挽肉とみじん切りにした野菜数種で、餃子の餡みたいな感じ。
黒酢につけて食べると割とさっぱり食べられて、良い塩梅。

酸辣湯 300円
これは、恐ろしく美味しかった!!
具材構成は、卵、豆腐、しいたけ、スパム、というシンプルさ。
そして、とにかく酸味の効かせ具合のバランス感がすごい!!
黒酢で酸味をつけているような感じなのですが、酸味をしっかり感じるのに、酸味がキツくなくて、旨味をどっしり支えているんですよ!
これは日本人には真似できない感覚なのかも・・・と絶望を感じるくらいに凄まじいバランス感。
スープは、鶏ガラベースの毛湯(マオタン:ベーシックな澄んだスープ)にの旨味を、黒酢の甘み&酸味がしっかり支えていて、辛みはほとんど感じなかった。
あと、香辛料の香りもほとんどしなかった、もしかしたら胡椒を使ってるのかなぁ?というレベル。
これから酸辣湯を研究してみようと思わせてくれた一品。

チャーハン 約300円
以前四川に行った時、チャーハンが全く美味しくなかったのですが、上海のチャーハンは美味しかったです!
日本のチャーハンととても似ています!
どうやら、上海の人たちはご飯が好きらしく、ご飯をよく食べるようなんですね。
小麦主食の四川との文化の違いが感じられて興味深いです。

よだれ鶏
四川料理は上海でも大人気。
その中でもこのよだれ鶏は花形選手のような人気さがありますね。
日本で食べられるよだれ鶏と中国で食べられるよだれ鶏の違いは主に2つ。
①中国のものは甘みをつけない味付け
②中国のものは鶏肉を骨ごと茹でる
この2つの違いによって、かなり味わいが違います。
②に関してはメリット・デメリットがあって、やはり骨つきで茹でる方が身の伸縮を抑えられるため、肉質が柔らかく、しっとりして美味しいです。
しかし、骨を口から取り出さなければいけない煩わしさが・・・

川魚の干鍋
上海の人々(というか中国の人々?)は川魚を好んで食べます。
川魚は味わいが淡白なので、中国料理の油脂分が多く、濃いめの味付けによくマッチします。
川魚を丸ごとフライして、甘辛な調味料をまとわせて卓上でグツグツ煮る干鍋。
ただただ美味しい。

串焼き
四川料理が発端の串焼き。
食材を串に刺して、塩と香辛料をたっぷりふりかけて焼き上げる串揚げ。
最近は日本でも食べられる店が増えました。
中でも面白かった食材が、鶏の脚の肉球の部分。
最初食べた時、ぼんじり、だと完全に勘違いしたくらい味が似てました。
中国料理の食材探求への追求心には脱帽です。

ニラの串焼き
結構感動したのがこちら。
ニラを1本丸ごと串に刺して、連ねて、香辛料&塩をまぶして焼き上げた料理。
ニラは幾度となく扱ってきた食材ですが、こんなアプローチ法ができるとは思いつかなかった!
しかも、めっちゃ美味しい。
日本でもこれ出してくれるお店できたらいいのになぁ!

鴨の腸の辣油和え
上海では鴨の腸をよく食べます。
鴨の腸をさっと湯引いて、甘酸っぱいタレと辣油をかけた料理。
鴨の腸はシャッキリした歯ごたえで、味には全く癖がなく、さっぱりした味わい。
そして、中国のどの店で食べても思うことだけど、辣油が美味い!
香ばしさが桁違い!

干豆腐と豚肉の甘辛炒め
中国では干豆腐の料理がたくさんの店で見られます。
干豆腐といっても“乾燥させてある”という意味ではなく、ギュッと圧縮して水分を抜いてある豆腐です。
豆の味が濃くて、歯ごたえが詰まっていてすごく美味しい!
豆の味が濃いので、こういった濃い味の料理にすごく合います。
豆腐だからヘルシーだし、日本でももっと食べられるお店が増えたら嬉しいなぁ。

レタスのボイル
レタスをサッとボイルして、挽肉と、醤油にオイスターソースを混ぜたようなタレをかけたもの。
シンプルだけど美味しい。
上海、というか中国の野菜は味が濃くて美味しい。

水ゼリー酒醸(チュウニャン)かけ
辛い麺料理屋のデザートとして出てきたこちらの料理。
甘さ控えめのデザートが大好きな私としては、えらく感動した一品。
まず、ゼリーが水にゼラチンを溶かしたみたいな感じで全く甘くない。
そこに酒醸という、日本でいう天然醗酵の甘酒、をかけただけのもの。
酒醸の優しい甘さだけで成立しているこの潔さに感服。
見た目にも涼しく、素晴らしいデザート。

酸菜魚(サンツァイユイ) 約500円
四川料理が発端のこちらの料理。
酸菜という、日本の高菜の古漬けのような酸っぱい漬物で味をつけたスープ料理。

レンゲに乗っている茶緑色の野菜が酸菜。
具材構成は、酸菜、川魚、生姜、ネギ、と非常にシンプル。

このスープを一口飲んだ瞬間、驚嘆の声が上がりました。
澄んだスープには肉と魚の旨味がしっかり溶けているのですが、それを酸菜の旨味と酸味ががっちり支えて、ものすごく飲みごたえのある力強いスープになっているのです。
それにしても旨味の分厚さがすごい。
肉×魚×漬物という、旨味の3重層に加えて、酸味が旨味を増幅させているように感じる。
酸っぱいスープというと、キムチチゲや、トムヤンクンが思い浮かびますが、その中でも一番、旨味と酸味を生かしたスープの美味しさの骨格をしっかり感じることができました!

あまりに酸菜魚が美味しかったので、酸菜湯の有名店に行きました。

繁華街の中にある人気店なだけあって、店内はめちゃくちゃオシャレ。
このお店のすごいところが、まずは食べる魚を選ぶところから始めるのです!

店内には生け簀があり、たくさんの川魚が生かされています!

酸菜湯を食べる人数を伝えると、この中から適当なサイズの魚を選んでくれます。

重さを計測し、

そのまま調理場まで送ります。
そして、その10分後くらいには・・・

立派な酸菜魚が完成します!
最初に食べた酸菜魚はスープ料理として出てきましたが、こちらでは鍋料理として出てきました。
専門店は鍋形式で出てくることが多いようです。

こちらは非常に上品なスープで高級感を感じる仕上がり。
そして、魚が美味い!
正直、川魚には独特な臭みがあり、苦手意識があったのですが、新鮮な川魚は全く臭みがなく非常に美味しい!

こちらが酸菜。
コリコリした歯ごたえがあり、酸っぱい高菜漬け、という感じの味わい。
しかし、この漬物めちゃくちゃ美味しいし、料理に使える幅も広そうで素晴らしい食材。
ということで色々と食べてみました!

上海の繁華街で一際行列が目立っていたのがこちらのお店。
30分ほど待って入店してみると・・・

上海蟹のあんかけ汁なし麺 約1200円
上海蟹の味噌と身をたっぷり溶かした餡をかけた汁なし麺。
まずこの発想がすごい・・・
あんかけは塩ベースの味で、丼底には白醤油ベースのようなさっぱりしたタレが敷いてありました。
全体的にはあっさりしている味なのですが、上海蟹の濃厚な味わいを感じられて美味しい!
上海の人々は上海蟹が大好き。
その嗜好をうまく突いた秀逸な麺料理だと感じました。

麻辣汁なし麺 800円
麺にピーナッツ醤、甘辛く炒めたジャガイモ、辣油、花椒をかけて、丼底には白醤油ベースのタレを敷いた混ぜそば。
辣油の美味さが際立っており、花椒の効かせ加減とピーナッツ醬の使用量のバランス感が非常に上手。
しかし、具材に肉類を使わないというのは、日本人感覚的には非常に珍しい感じがする。
その代わり、トンカツがメニューにあり、それを別に頼んでいる人がたくさんいました。

重慶小麺&豆と挽肉の汁なし麺 約800円
上海では、重慶小麺(写真下)がすごく流行っている様子。
汁ありと汁なしの中間のような汁量の不思議な麺。
さっぱりしたスープに麺を浮かばせ、辣油と花椒をかけた麺料理。
さっぱりしているのに、がっつりした辛さと痺れを感じることができるため、しっかりとした食べ応えがありました。
そして、豆と挽肉の汁なし麺(写真上)。これが美味い!
汁なし麺に、挽肉と、柔らかく煮た豆を乗せた麺。
混ぜると、豆が潰れて、麺に絡んですごい食べ応えがある味わいに!
豆の旨味・甘み・滋味が最高のタレになっている!
濃厚なのに、豆だから後味も軽く、食後の胃もたれ感も皆無。
素晴らしい麺料理だと感じました!

牛煮込みラーメン 約1150円
空港で食べたラーメン。
スープは薄い醤油味なのですが、牛煮込みが美味しい!
八角などの香辛料を効かせて、肉感を残しながらも、柔らかくしっとりと煮込まれた牛すじが素晴らしい。

麺は、かんすいが少なめで、柔らかく、コシがあまりない、中華麺とうどんの中間のような麺。
これを食べると『あ〜!中国に来たなーー!!』という感じがして嬉しい。
個人的にはかなり好きな麺。

牛煮込みを乗せた甘辛麺 約800円
こちらも空港で食べれられる麺。
よく混ぜていただくのですが、中華の混ぜそばとちょっとナポリタンを彷彿とさせるようなトマトっぽい風味がありました。
細い麺の混ぜそばに柔らかく煮込んだ牛煮込みを混ぜると肉の繊維がほどけて、麺に絡んで美味しい。

日本でも大人気ラーメンチェーン『一風堂』に行ってきました。
すごくオシャレなデパートにも出店していて、中国での人気の高さが伺えます。

ラーメンのレギュラーメニューは日本とそんなに変わらないのですが・・・

サイドメニューはだいぶ日本とは違いがあります!
特に『漫画肉』は相当エッジが効いた一品だなぁ、と思いました!
、
白丸元味 約700円
日本の一風堂に行ったらよく頼む王道メニューの白丸元味。
日本のものとどんな違いがあるのでしょうか?
まずスープですが、ものすごくクリーミーでキメが細かいです。
日本のものの方が、もう少し、良い意味での荒々しさがあって、豚骨の風味が活きていると感じました。
多分、スープは工場で製造しているかと思われます。
工場製造のスープは品質が均一化されるので、どの店舗で食べても同じ味が食べられる、という安心感がありますね!

麺は、中国のものの方がやや加水率が高めで、柔らかめな印象を受けました。
日本の一風堂は博多豚骨ラーメンのジャンルに分類される味の印象がありますが、上海のものは豚骨ラーメンというジャンルに分類したくなる感じ。
バリカタで、ポキポキした麺の食感はこちらの麺からはあまり連想できませんでした。
中国の麺食文化はもともと柔らかい麺を好む文化ですから、その好みに合わせてローカライズされているのかもしれません!

以前、視線に行った時、カップ麺を食べてすごく勉強になったので、今回も3種類買ってみました。
日清U.F.O.の麻辣火鍋風味とかめちゃくちゃテンション上がりませんか!?

3種類とも食べ比べ。
まず、日清U.F.O.麻辣火鍋風味(写真上)ですが、めちゃくちゃ辛い!!
日本で販売されてたら『激辛』って表示をしなければいけないレベル。
上海の人たちにも食べてもらいましたが、辛いのが日本人よりも得意な上海の人たちでも『さすがにこれは辛い!』と言っていました。
味は思ったよりジャンクではなく、カップ麺にしては割と薄味。
甘みがなく、醤油や豆板醤などの味がベースになっている印象。
そして何より、花椒の香りが綺麗。
花椒の香りが鮮烈に効いていて、花椒が参加した時に生じるネガティブな香りが一切しないんですよ。これ、本当にどうやってるんだろ?
他2つのカップ麺もとても美味しい。
全体的に味は薄めで、甘みが抑えられた味付け。
そして、豆豉がすごい効いている。
豆豉の旨味が核になっているため、そんなに化学調味料に旨味を頼ってない感じがあるんですよね。
写真左の麺は、豆豉が丸ごとゴロゴロ入っていてとても美味しかった。
上海のカップ麺は非常にレベルが高い!!
そして、吉野家やすき家などの牛丼チェーンもたくさんあるんです。
上海の人たちは米を食べるのが好きらしく、牛丼ブームもその延長線上にあるのかもしれません。
ということで、まずは牛丼チェーンの代表格、すき家に行ってきました。

日本でもすき家は柔軟性の高いメニュー展開をしていますが、それは中国でも例に漏れず。
むしろ、中国でしかお目にかかれないメニューがたくさんあって、めちゃくちゃワクワクします!

辛いもの好きの私としては、火辣・三椒牛丼が気になりすぎる!

火辣・三椒牛丼 約350円
火辣・三椒牛丼は3種類の唐辛子の泡菜(塩水に漬けた漬物)のみじん切りを乗せた牛丼。
そして、これがめちゃくちゃうまい!!!!
泡菜は程よい辛さで、旨味の塊ってくらい旨味が濃い!
唐辛子の泡菜と牛丼を書き込むと、辛くて、旨くて、もう止まらない!
牛丼自体は日本のすき家と味の違いはほとんどなく、すき家らしいやや甘めの味付けの後味を唐辛子の辛みがピリッと締めてくれて、素晴らしいバランス感!
これ、マジで日本でも発売してほしい。
絶対人気出るし、レギュラーメニューになるんじゃないかな。

デパートのフードコートに常に20人近い行列が出来ている牛丼屋がありました。

こちらは焼き牛丼屋。
オーダーが入ったらカウンターに面した厨房で、目の前で肉を焼いてくれて作り上げてくれるライブ感が楽しいお店。

カルビ丼 約1150円
一番人気メニュー。
甘辛く炒められたカルビがご飯に乗せられており、日本人の私としては馴染み深い味わいで、正直『すごう美味しい!』というような感動はありませんでした。
ですが、一緒に食事をした上海の方々は『めちゃくちゃ美味しい!!』と感動しながら夢中で食べていました。
日本人にとって馴染み深いものでも、外国に持って行くと新たな感動を与えることができ、思わぬビジネスチャンスが広がるのかもしれない!と思わせてくれた貴重な体験でした。

バターヒレ丼 約1450円
カルビ丼に次ぐ人気メニュー。
ミディアム程度に焼き上げた柔らかいヒレ肉に、溶かしたガーリックバターをかけて書き込む丼。
こりゃうまい。
ご飯×肉×バター×にんにく
この最強方程式は中国でも健在。

そして、中国での牛丼の人気の高さを一番痛感する出来事となったのがこちら。
マクドナルドに行った時のことなのですが・・・

牛丼がレギュラーメニューにあったのです!!!
マクドナルドが日本でご飯メニューを提供していたことが過去あったでしょうか!?
私の記憶では一度もないのですが、それが中国で実現しているなんて驚き!

興奮抑えきれず、早速頼んでみました!
『和風牛丼飯』
中国のマクドナルドで和風の牛丼を食べるなんて、脳が混乱し気味です。

牛丼は丁寧にもセパレートタイプになって提供されてきました。
ほうれん草とスイートコーンのボイルが具材としてチョイスされているところに、マクドナルドがアメリカ資本であるという風情を感じます。

マクドナルドはだいたい何を食べても美味しいですから、牛丼にも俄然期待が高まります!!
さて、お味は・・・・
う・・・・
肉がオーバーボイルでパサついており、コクのない甘みが全体の味を支配しており、旨味に乏しい・・・
とはいえ、経験としてはすごく貴重な経験をさせていただきました!

ちなみに蛇足ですが、上海(中国?)のマクドナルド限定のバーガーでめちゃくちゃきになるものがあったので買ってしまいました。

なんと、パティ2枚にジャーマンソーセージ2本を乗せて、味付けはマスタードのみ、というかなりぶっ飛んだバーガー。そしてこれが最高にうまかった!!
味わいとしては、想像通りな感じなのですが、肉々しさがすごい!
口に入れて噛むと、パティやソーセージがボロンボロンと弾けまくり、圧倒的な肉の旨味が口中を満たす!その肉の脂肪感を大量のマスタードがピリッと引き締めてくれるという秀逸なバランス感!
一つ食べただけでも満足できるほどの食べ応え!
これ、本当に日本でも発売してほしい!
四川に行った時は真逆で、ローカルの小さな飲食店が多くあり、視線の食文化や地域性を色濃く感じることができたが、上海ではあまり感じることができなかった。
ゆえに『上海料理とはこういうものである!』という結論は出せないけれど、上海の人たちの多種多様な食文化を受け入れる寛容性と、味覚の幅広さを実感することができた。
上海に行くと本当に多種多様な食べ物を食べることができ、食に対する価値観が広がるので、食への興味が強い方(多分、Cooking Maniacを読んでいる方々はみんなそうだと思いますが笑)はぜひ行ってみてください!日本から3時間程度で行けてしまう近さも魅力的です!
私、約2年前に中国・四川省まで中国料理を学びに行って参りましたが・・・
↓こちらの記事
中国・四川レポート ~街の食堂から屋台まで、四川の食事情徹底紹介~
中国の中で最も栄えている都市『上海』はかなり食のレベルが高く発展しているとの噂を聞きました。
『上海で成功した飲食店は中国全土のどこに飲食店を展開しても必ず成功する』
と言っていたほど。
深遠なる食文化をもつ中国料理の最先端をいく上海。
となれば、中国料理マニアを自称する私が行かないわけにはいきません!!
ということで、実際にリサーチに行って参りました!

上海の街カド食べ歩きグルメ
街角で見かける食べ物にはリアルな食文化の一面が色濃く表れるもの。上海を散策していて気になった食べ物をたくさん紹介します!

点心4種盛 約1000円
まず、上海浦東(プドン)空港に到着して食べたもの。
カフェの料理なのですが、めちゃくちゃ本格的な中国料理!さすが本場!
上から時計回りに、蟹味噌小籠包、焼売、エビ蒸し餃子、翡翠餃子という構成。
これ、ものすごく美味しかった!
まず、皮が圧倒的に美味しい!!!!
全体的にモチモチ感が強くて、喉に張り付くようなペタッとした官能的な肌触りがあり、日本の点心よりも生地が厚いのに滑らかだから粉っぽくない。
それに小麦自体の質が高いのか、生地自体の旨さも感じられるんですよ。
中国は北と南で主食が小麦文化・米文化に分かれているので、小麦の扱いに関しては長い歴史のバックグラウンドに支えられているわけです。『さすが!』と唸るしかない美味しさ。
中の餡に関しては、日本で食べられるものより、良い意味で『旨味に支配されていない』味わいでした。
日本の点心は、化学調味料を結構効かせていたり、旨味を強く出そうとしている意図を感じられることが多々あるのですが、上海のものは旨味がありつつも素材の味を引き出し、複合的に組み合わせることで、味わいに厚みを持たせているような感じがしました。
・・・といきなりかなりの長文を書いてしまいましたが、上海滞在中にかなり感動した食べ物だったのでご容赦ください(汗)

肉ワンタン 約150円
上海の繁華街にある、半分屋台のような小さな飲食店で食べた料理。
ワンタンを茹でた汁に20個近くワンタンが入っていて、150円は安い!

一口サイズのワンタンは舌触りが滑らかで、チュルンと食べられてしまいます。
具材は肉のみ。
味としては美味しいのですが、とにかく塩気が薄すぎる!
これに酢醤油のタレをかけて食べたりしたら美味しいのでしょうが、卓上には一切そういうものはなし!
多分、料理人の味覚や技術うんぬんじゃなくって、こういう食べ物なんだろうなぁ・・・

肉水餃子 200円
先ほどのワンタンと同じ店で食べたもの。
200円で10個は安い!!
皮はモッチモチのツルツルで、肉の割合が9割ほどを占めるであろう水餃子はかなり美味しい!
・・・のだが、これまた塩気が薄い!!!!
酢醤油が欲しいーーー!!!

中国には朝食を大事にする食文化があります。
なので、朝の繁華街を歩いていると、朝食を売っているお店がたくさん。
その中でも行列ができているお店があり、立ち寄ってみるとなんだか珍しい食べ物が!

鮮肉月餅 約100円
ブリオッシュ生地のような、サクサク、ふかふかしていて、甘みのある生地に挽肉を詰めて焼き上げたもの。
記事にバターがたっぷり練りこまれているような感じがあり、これ一つでもなかなかの食べ応えがありました。
甘じょっぱくて、旨味があり、ハマるとクセになりそうな味。

大肉粽 約200円
大きな肉が入ったちまきです。
ちまきって最高に美味しい食べ物だと思うのですが、これが手軽に食べられるって最高か!?

200円なのにこの大きさ!
コンビニのおにぎり3つ分はありそうな重量感。

まるでちまきを縦断するかのごとく巨大な肉が入っておりました。
肉は、豚ばら肉の角煮。
そして、これ最高に美味い!!
色は濃いですが、味は濃すぎずちょうど良い塩梅。
モッチモチの飯を噛むと、柔らかく煮込まれた肉が口の中でほどけて混ざりあう・・・
これが200円で買えたら毎日買っちゃうな、って思いました。

ファミリーマートのちまき 約150円
上海にはファミリーマートが多いのですが、日本では見かけない食べ物だらけでかなり楽しい!
中でも、ちまきの米を焼売のように小麦粉の生地で包んで蒸しあげた、という珍しい食べ物がありました。
これは、なんというか想像通りの味・・・

麦入りミルク(アボカド&バナナ味) 約150円
これ!!めちゃくちゃ美味しくて感動した飲み物です!!!
ファミリーマートに売っているので、上海に行く方は絶対飲んでほしい!
味としては、牛乳と生クリームを1:1で割って、ほんのり甘みをつけて、アボカドとバナナのピューレを加えて、茹でた押し麦を少しだけ入れた、という感じ。
ミルク感がかなり濃厚で、なのに甘みは控えめ、とその時点でかなり美味しい。
そこに加えて、アボカドのコク、バナナの風味がして、さらにプチプチした麦が入っているのです!
超絶おすすめです!

繁華街で常に行列が絶えなかった、人気のお菓子店。
どんなお菓子か分からずに並んでみて、みんなが買っているものを買ってみました。

蟹黄酢松小貝 約200円
持った感じは、重量が軽く、ふかふかしていて、柔らかい。
全く味の想像ができないままかぶりつきましたところ・・・

これは全く想像できなかった味!
蟹の味がします!!
なのに、お菓子なんです!!
どうやら、外側にまぶしてあるのが蟹の身の粉末なんですよ。
中は、シフォン生地でレモンクリームをサンドしてありした。
甘じょっぱくて、ややレモンの酸味があって・・・濃厚な蟹の旨味!
これは、全く初めての食体験で脳が相当混乱しました。
発想すらできない味わい。
正直美味しいとは思えなかったのですが、この違和感を克服したらめちゃくちゃハマる可能性あるなぁ・・・と感じました。
蟹の味がします!!
なのに、お菓子なんです!!
どうやら、外側にまぶしてあるのが蟹の身の粉末なんですよ。
中は、シフォン生地でレモンクリームをサンドしてありした。
甘じょっぱくて、ややレモンの酸味があって・・・濃厚な蟹の旨味!
これは、全く初めての食体験で脳が相当混乱しました。
発想すらできない味わい。
正直美味しいとは思えなかったのですが、この違和感を克服したらめちゃくちゃハマる可能性あるなぁ・・・と感じました。

上海には、フルーツ屋がたくさんあって、深夜まで営業してくれてるのが嬉しいところ。
しかも、グラム売りしてくれるので、これだけかいつまんでも100円しないくらい。
写真中央の、赤茶色のフルーツが陽梅(ヤンメイ)といって、6月中旬の2週間くらいしか出回らないフルーツらしく、大変美味。
今まで食べたどのフルーツにも似ていない味で、シャクシャクしていて、甘くて、酸味が少なくて、ジューシー。

フレッシュライチジュース 1150円
上海人はフルーツが好きなのか、フレッシュジュース屋がたくさんありました。
中でも、皮付き生ライチをその場で剥いて作るフレッシュジュースは、今まで飲んだジュースの中で一番美味しかった・・・

氷魔栗 100円/100g
凍らした甘栗が売られていました!
日本ではお見かけしたことのない一品。
甘栗を凍らしてみても美味しそうに思えないのですが、果たして味はいかに・・・

凍らした甘栗なのに、皮付き、というところに中国人の甘栗に対するこだわりが感じられます。
味は・・・やばい、美味しい!
これですね・・・あずきバーに似てます!(笑)
噛むとかなり硬くて、それでも力を加えると急遽崩れて、ほろっとした食感。
甘みは甘栗の甘さでやさしい甘さ。
そして、後味のまったりとしたコク。
手もベタつかないし、甘さは控えめだし、夏の街歩きに最適なスイーツだと思いました!
日本でも食べられるようになったら流行ると思うんだけどなーー!
上海の食堂で食べた料理たち
中国には省によって独自の料理体系があり、上海もその例外ではありません。しかし、中国全土の料理が集まる大都市上海では、上海料理を出すような専門店を見つけることができませんでした。
ので、様々な飲食店を回って食べた料理を紹介していきたいと思います!

田うなぎの甘辛炒め 約500円
中国人は田うなぎを大好きな人が多いです。
うなぎとドジョウの中間のような味わいで、ヌメッとしていて、ザクッとした食感。
その田うなぎを、醤油ベースで甘辛く強火で炒めた料理。
熱々の炒め物の上に、生にんにくのみじん切りをオイル漬けにしたものを乗せるテクニックめちゃくちゃ良いなーー!という発見。

牛肚干鍋 約450円
この、干鍋という料理、初めて食べたのですが素晴らしい料理法!
鍋に、炒めた料理を調味料を入れて、卓上コンロで熱しながら食べるのですが、ずっと熱々で食べられるし、終盤には調味料が煮詰まって味が濃くなる変化も楽しめる!
今回食べたのは、牛モツと野菜の甘辛炒め的な干鍋だったのですが、旨味のインパクトがしっかりあってめちゃくちゃ美味しかった!

春巻 約200円
日本の春巻きとは結構違う印象です。
中の餡は挽肉とみじん切りにした野菜数種で、餃子の餡みたいな感じ。
黒酢につけて食べると割とさっぱり食べられて、良い塩梅。

酸辣湯 300円
これは、恐ろしく美味しかった!!
具材構成は、卵、豆腐、しいたけ、スパム、というシンプルさ。
そして、とにかく酸味の効かせ具合のバランス感がすごい!!
黒酢で酸味をつけているような感じなのですが、酸味をしっかり感じるのに、酸味がキツくなくて、旨味をどっしり支えているんですよ!
これは日本人には真似できない感覚なのかも・・・と絶望を感じるくらいに凄まじいバランス感。
スープは、鶏ガラベースの毛湯(マオタン:ベーシックな澄んだスープ)にの旨味を、黒酢の甘み&酸味がしっかり支えていて、辛みはほとんど感じなかった。
あと、香辛料の香りもほとんどしなかった、もしかしたら胡椒を使ってるのかなぁ?というレベル。
これから酸辣湯を研究してみようと思わせてくれた一品。

チャーハン 約300円
以前四川に行った時、チャーハンが全く美味しくなかったのですが、上海のチャーハンは美味しかったです!
日本のチャーハンととても似ています!
どうやら、上海の人たちはご飯が好きらしく、ご飯をよく食べるようなんですね。
小麦主食の四川との文化の違いが感じられて興味深いです。

よだれ鶏
四川料理は上海でも大人気。
その中でもこのよだれ鶏は花形選手のような人気さがありますね。
日本で食べられるよだれ鶏と中国で食べられるよだれ鶏の違いは主に2つ。
①中国のものは甘みをつけない味付け
②中国のものは鶏肉を骨ごと茹でる
②に関してはメリット・デメリットがあって、やはり骨つきで茹でる方が身の伸縮を抑えられるため、肉質が柔らかく、しっとりして美味しいです。
しかし、骨を口から取り出さなければいけない煩わしさが・・・

川魚の干鍋
上海の人々(というか中国の人々?)は川魚を好んで食べます。
川魚は味わいが淡白なので、中国料理の油脂分が多く、濃いめの味付けによくマッチします。
川魚を丸ごとフライして、甘辛な調味料をまとわせて卓上でグツグツ煮る干鍋。
ただただ美味しい。

串焼き
四川料理が発端の串焼き。
食材を串に刺して、塩と香辛料をたっぷりふりかけて焼き上げる串揚げ。
最近は日本でも食べられる店が増えました。
中でも面白かった食材が、鶏の脚の肉球の部分。
最初食べた時、ぼんじり、だと完全に勘違いしたくらい味が似てました。
中国料理の食材探求への追求心には脱帽です。

ニラの串焼き
結構感動したのがこちら。
ニラを1本丸ごと串に刺して、連ねて、香辛料&塩をまぶして焼き上げた料理。
ニラは幾度となく扱ってきた食材ですが、こんなアプローチ法ができるとは思いつかなかった!
しかも、めっちゃ美味しい。
日本でもこれ出してくれるお店できたらいいのになぁ!

鴨の腸の辣油和え
上海では鴨の腸をよく食べます。
鴨の腸をさっと湯引いて、甘酸っぱいタレと辣油をかけた料理。
鴨の腸はシャッキリした歯ごたえで、味には全く癖がなく、さっぱりした味わい。
そして、中国のどの店で食べても思うことだけど、辣油が美味い!
香ばしさが桁違い!

干豆腐と豚肉の甘辛炒め
中国では干豆腐の料理がたくさんの店で見られます。
干豆腐といっても“乾燥させてある”という意味ではなく、ギュッと圧縮して水分を抜いてある豆腐です。
豆の味が濃くて、歯ごたえが詰まっていてすごく美味しい!
豆の味が濃いので、こういった濃い味の料理にすごく合います。
豆腐だからヘルシーだし、日本でももっと食べられるお店が増えたら嬉しいなぁ。

レタスのボイル
レタスをサッとボイルして、挽肉と、醤油にオイスターソースを混ぜたようなタレをかけたもの。
シンプルだけど美味しい。
上海、というか中国の野菜は味が濃くて美味しい。

水ゼリー酒醸(チュウニャン)かけ
辛い麺料理屋のデザートとして出てきたこちらの料理。
甘さ控えめのデザートが大好きな私としては、えらく感動した一品。
まず、ゼリーが水にゼラチンを溶かしたみたいな感じで全く甘くない。
そこに酒醸という、日本でいう天然醗酵の甘酒、をかけただけのもの。
酒醸の優しい甘さだけで成立しているこの潔さに感服。
見た目にも涼しく、素晴らしいデザート。
酸菜魚(サンツァイユイ)という素晴らしき料理
次は、私が上海滞在中に一番美味しいと感じた料理を紹介します!
酸菜魚(サンツァイユイ) 約500円
四川料理が発端のこちらの料理。
酸菜という、日本の高菜の古漬けのような酸っぱい漬物で味をつけたスープ料理。

レンゲに乗っている茶緑色の野菜が酸菜。
具材構成は、酸菜、川魚、生姜、ネギ、と非常にシンプル。

このスープを一口飲んだ瞬間、驚嘆の声が上がりました。
澄んだスープには肉と魚の旨味がしっかり溶けているのですが、それを酸菜の旨味と酸味ががっちり支えて、ものすごく飲みごたえのある力強いスープになっているのです。
それにしても旨味の分厚さがすごい。
肉×魚×漬物という、旨味の3重層に加えて、酸味が旨味を増幅させているように感じる。
酸っぱいスープというと、キムチチゲや、トムヤンクンが思い浮かびますが、その中でも一番、旨味と酸味を生かしたスープの美味しさの骨格をしっかり感じることができました!

あまりに酸菜魚が美味しかったので、酸菜湯の有名店に行きました。

繁華街の中にある人気店なだけあって、店内はめちゃくちゃオシャレ。
このお店のすごいところが、まずは食べる魚を選ぶところから始めるのです!

店内には生け簀があり、たくさんの川魚が生かされています!

酸菜湯を食べる人数を伝えると、この中から適当なサイズの魚を選んでくれます。

重さを計測し、

そのまま調理場まで送ります。
そして、その10分後くらいには・・・

立派な酸菜魚が完成します!
最初に食べた酸菜魚はスープ料理として出てきましたが、こちらでは鍋料理として出てきました。
専門店は鍋形式で出てくることが多いようです。

こちらは非常に上品なスープで高級感を感じる仕上がり。
そして、魚が美味い!
正直、川魚には独特な臭みがあり、苦手意識があったのですが、新鮮な川魚は全く臭みがなく非常に美味しい!

こちらが酸菜。
コリコリした歯ごたえがあり、酸っぱい高菜漬け、という感じの味わい。
しかし、この漬物めちゃくちゃ美味しいし、料理に使える幅も広そうで素晴らしい食材。
上海の麺料理事情
担々麺職人として、ラーメン発祥の地・中国の麺料理リサーチは欠かせません!ということで色々と食べてみました!

上海の繁華街で一際行列が目立っていたのがこちらのお店。
30分ほど待って入店してみると・・・

上海蟹のあんかけ汁なし麺 約1200円
上海蟹の味噌と身をたっぷり溶かした餡をかけた汁なし麺。
まずこの発想がすごい・・・
あんかけは塩ベースの味で、丼底には白醤油ベースのようなさっぱりしたタレが敷いてありました。
全体的にはあっさりしている味なのですが、上海蟹の濃厚な味わいを感じられて美味しい!
上海の人々は上海蟹が大好き。
その嗜好をうまく突いた秀逸な麺料理だと感じました。

麻辣汁なし麺 800円
麺にピーナッツ醤、甘辛く炒めたジャガイモ、辣油、花椒をかけて、丼底には白醤油ベースのタレを敷いた混ぜそば。
辣油の美味さが際立っており、花椒の効かせ加減とピーナッツ醬の使用量のバランス感が非常に上手。
しかし、具材に肉類を使わないというのは、日本人感覚的には非常に珍しい感じがする。
その代わり、トンカツがメニューにあり、それを別に頼んでいる人がたくさんいました。

重慶小麺&豆と挽肉の汁なし麺 約800円
上海では、重慶小麺(写真下)がすごく流行っている様子。
汁ありと汁なしの中間のような汁量の不思議な麺。
さっぱりしたスープに麺を浮かばせ、辣油と花椒をかけた麺料理。
さっぱりしているのに、がっつりした辛さと痺れを感じることができるため、しっかりとした食べ応えがありました。
そして、豆と挽肉の汁なし麺(写真上)。これが美味い!
汁なし麺に、挽肉と、柔らかく煮た豆を乗せた麺。
混ぜると、豆が潰れて、麺に絡んですごい食べ応えがある味わいに!
豆の旨味・甘み・滋味が最高のタレになっている!
濃厚なのに、豆だから後味も軽く、食後の胃もたれ感も皆無。
素晴らしい麺料理だと感じました!

牛煮込みラーメン 約1150円
空港で食べたラーメン。
スープは薄い醤油味なのですが、牛煮込みが美味しい!
八角などの香辛料を効かせて、肉感を残しながらも、柔らかくしっとりと煮込まれた牛すじが素晴らしい。

麺は、かんすいが少なめで、柔らかく、コシがあまりない、中華麺とうどんの中間のような麺。
これを食べると『あ〜!中国に来たなーー!!』という感じがして嬉しい。
個人的にはかなり好きな麺。

牛煮込みを乗せた甘辛麺 約800円
こちらも空港で食べれられる麺。
よく混ぜていただくのですが、中華の混ぜそばとちょっとナポリタンを彷彿とさせるようなトマトっぽい風味がありました。
細い麺の混ぜそばに柔らかく煮込んだ牛煮込みを混ぜると肉の繊維がほどけて、麺に絡んで美味しい。

日本でも大人気ラーメンチェーン『一風堂』に行ってきました。
すごくオシャレなデパートにも出店していて、中国での人気の高さが伺えます。

ラーメンのレギュラーメニューは日本とそんなに変わらないのですが・・・

サイドメニューはだいぶ日本とは違いがあります!
特に『漫画肉』は相当エッジが効いた一品だなぁ、と思いました!

白丸元味 約700円
日本の一風堂に行ったらよく頼む王道メニューの白丸元味。
日本のものとどんな違いがあるのでしょうか?
まずスープですが、ものすごくクリーミーでキメが細かいです。
日本のものの方が、もう少し、良い意味での荒々しさがあって、豚骨の風味が活きていると感じました。
多分、スープは工場で製造しているかと思われます。
工場製造のスープは品質が均一化されるので、どの店舗で食べても同じ味が食べられる、という安心感がありますね!

麺は、中国のものの方がやや加水率が高めで、柔らかめな印象を受けました。
日本の一風堂は博多豚骨ラーメンのジャンルに分類される味の印象がありますが、上海のものは豚骨ラーメンというジャンルに分類したくなる感じ。
バリカタで、ポキポキした麺の食感はこちらの麺からはあまり連想できませんでした。
中国の麺食文化はもともと柔らかい麺を好む文化ですから、その好みに合わせてローカライズされているのかもしれません!

以前、視線に行った時、カップ麺を食べてすごく勉強になったので、今回も3種類買ってみました。
日清U.F.O.の麻辣火鍋風味とかめちゃくちゃテンション上がりませんか!?

3種類とも食べ比べ。
まず、日清U.F.O.麻辣火鍋風味(写真上)ですが、めちゃくちゃ辛い!!
日本で販売されてたら『激辛』って表示をしなければいけないレベル。
上海の人たちにも食べてもらいましたが、辛いのが日本人よりも得意な上海の人たちでも『さすがにこれは辛い!』と言っていました。
味は思ったよりジャンクではなく、カップ麺にしては割と薄味。
甘みがなく、醤油や豆板醤などの味がベースになっている印象。
そして何より、花椒の香りが綺麗。
花椒の香りが鮮烈に効いていて、花椒が参加した時に生じるネガティブな香りが一切しないんですよ。これ、本当にどうやってるんだろ?
他2つのカップ麺もとても美味しい。
全体的に味は薄めで、甘みが抑えられた味付け。
そして、豆豉がすごい効いている。
豆豉の旨味が核になっているため、そんなに化学調味料に旨味を頼ってない感じがあるんですよね。
写真左の麺は、豆豉が丸ごとゴロゴロ入っていてとても美味しかった。
上海のカップ麺は非常にレベルが高い!!
上海では牛丼が大ブーム!?
上海で日本発のラーメン屋に行くと、ほとんどの店で牛丼がサイドメニューとして用意されていることに驚きました。そして、吉野家やすき家などの牛丼チェーンもたくさんあるんです。
上海の人たちは米を食べるのが好きらしく、牛丼ブームもその延長線上にあるのかもしれません。
ということで、まずは牛丼チェーンの代表格、すき家に行ってきました。

日本でもすき家は柔軟性の高いメニュー展開をしていますが、それは中国でも例に漏れず。
むしろ、中国でしかお目にかかれないメニューがたくさんあって、めちゃくちゃワクワクします!

辛いもの好きの私としては、火辣・三椒牛丼が気になりすぎる!

火辣・三椒牛丼 約350円
火辣・三椒牛丼は3種類の唐辛子の泡菜(塩水に漬けた漬物)のみじん切りを乗せた牛丼。
そして、これがめちゃくちゃうまい!!!!
泡菜は程よい辛さで、旨味の塊ってくらい旨味が濃い!
唐辛子の泡菜と牛丼を書き込むと、辛くて、旨くて、もう止まらない!
牛丼自体は日本のすき家と味の違いはほとんどなく、すき家らしいやや甘めの味付けの後味を唐辛子の辛みがピリッと締めてくれて、素晴らしいバランス感!
これ、マジで日本でも発売してほしい。
絶対人気出るし、レギュラーメニューになるんじゃないかな。

デパートのフードコートに常に20人近い行列が出来ている牛丼屋がありました。

こちらは焼き牛丼屋。
オーダーが入ったらカウンターに面した厨房で、目の前で肉を焼いてくれて作り上げてくれるライブ感が楽しいお店。

カルビ丼 約1150円
一番人気メニュー。
甘辛く炒められたカルビがご飯に乗せられており、日本人の私としては馴染み深い味わいで、正直『すごう美味しい!』というような感動はありませんでした。
ですが、一緒に食事をした上海の方々は『めちゃくちゃ美味しい!!』と感動しながら夢中で食べていました。
日本人にとって馴染み深いものでも、外国に持って行くと新たな感動を与えることができ、思わぬビジネスチャンスが広がるのかもしれない!と思わせてくれた貴重な体験でした。

バターヒレ丼 約1450円
カルビ丼に次ぐ人気メニュー。
ミディアム程度に焼き上げた柔らかいヒレ肉に、溶かしたガーリックバターをかけて書き込む丼。
こりゃうまい。
ご飯×肉×バター×にんにく
この最強方程式は中国でも健在。

そして、中国での牛丼の人気の高さを一番痛感する出来事となったのがこちら。
マクドナルドに行った時のことなのですが・・・

牛丼がレギュラーメニューにあったのです!!!
マクドナルドが日本でご飯メニューを提供していたことが過去あったでしょうか!?
私の記憶では一度もないのですが、それが中国で実現しているなんて驚き!

興奮抑えきれず、早速頼んでみました!
『和風牛丼飯』
中国のマクドナルドで和風の牛丼を食べるなんて、脳が混乱し気味です。

牛丼は丁寧にもセパレートタイプになって提供されてきました。
ほうれん草とスイートコーンのボイルが具材としてチョイスされているところに、マクドナルドがアメリカ資本であるという風情を感じます。

マクドナルドはだいたい何を食べても美味しいですから、牛丼にも俄然期待が高まります!!
さて、お味は・・・・
う・・・・
肉がオーバーボイルでパサついており、コクのない甘みが全体の味を支配しており、旨味に乏しい・・・
とはいえ、経験としてはすごく貴重な経験をさせていただきました!

ちなみに蛇足ですが、上海(中国?)のマクドナルド限定のバーガーでめちゃくちゃきになるものがあったので買ってしまいました。

なんと、パティ2枚にジャーマンソーセージ2本を乗せて、味付けはマスタードのみ、というかなりぶっ飛んだバーガー。そしてこれが最高にうまかった!!
味わいとしては、想像通りな感じなのですが、肉々しさがすごい!
口に入れて噛むと、パティやソーセージがボロンボロンと弾けまくり、圧倒的な肉の旨味が口中を満たす!その肉の脂肪感を大量のマスタードがピリッと引き締めてくれるという秀逸なバランス感!
一つ食べただけでも満足できるほどの食べ応え!
これ、本当に日本でも発売してほしい!
総論
日本、中国、海外のチェーン店がたくさんあり、上海ローカルの小さな飲食店よりも、大きくて綺麗な飲食店が多かった。四川に行った時は真逆で、ローカルの小さな飲食店が多くあり、視線の食文化や地域性を色濃く感じることができたが、上海ではあまり感じることができなかった。
ゆえに『上海料理とはこういうものである!』という結論は出せないけれど、上海の人たちの多種多様な食文化を受け入れる寛容性と、味覚の幅広さを実感することができた。
上海に行くと本当に多種多様な食べ物を食べることができ、食に対する価値観が広がるので、食への興味が強い方(多分、Cooking Maniacを読んでいる方々はみんなそうだと思いますが笑)はぜひ行ってみてください!日本から3時間程度で行けてしまう近さも魅力的です!
四川式汁なし担々麺専門店「タンタンタイガー」を2016年8月10日に蔵前にオープン!
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