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「うま過ぎる」という問題

料理の味を考える時に、

基本5味(甘味・塩味・辛味・酸味・苦味)

のバランスは絶対に考えると思うし、計算もするが、

やはり、うま味の計算も怠ってはいけないと思う。

うま味は、塩気、甘味と違って、[塩○g]というような単純な計算

が出来ない分かりづらいものなので、計算がなかなか難しい。

しかし、計算の初歩として、[うま味の種類]と[うま味の相乗効果]

は、考えやすいところだろう。

 [うま味の種類]

 ・グルタミン酸

  →昆布、トマト、チーズに代表されるうま味成分

   味の土台を支えるような、どっしりとしているのに、主張しない

   縁の下の力持ち的な役割だと思っている。

   ちなみに、味の素とかの科学調味料はうま味成分の結晶

 ・イノシン酸

  →代表的なのはカツオ節だが、主に肉類に多く含まれる

   鶏肉、豚肉などを煮たときたんぱく質が熱分解してイノシン酸になる。

   グルタミン酸に比べると、下を直線的に力強く刺激するようなうま味があって、

   グルタミン酸に比べるとやや攻撃的な強いうま味成分だと思っている。

 ・グアニル酸

  →代表的なのが、干ししいたけ。キノコ類に多く含まれる。

   干ししいたけ和食以外ではあまり使われることはないが、

   キノコを入れた煮込み料理などはこのうま味に支えられているんだろうな。

   やや甘味を感じるような、じんわりしたうま味。

 ・コハク酸 

  →あまりメジャーじゃないうま味成分だが、貝類に含まれている。

   貝類の独特のうま味はコハク酸によるもの。

   舌をギュっとさせるような強いうま味成分で、中毒性の高いうま味成分だ。

 [うま味の相乗効果]

 簡単な話で、うま味は種類を増やして同時に味わうことで、よりうま味を強く感じられる、ということ。

 言うなれば、1+1=2 ではなく、1+1=5 になるということだ。

 代表的な例で言うと、グルタミン酸と、イノシン酸を同時にとると5倍強くうま味を感じるとか。

 だから、日本料理のだしは昆布(グルタミン酸)&カツオ節(イノシン酸)が多いのだ。

 

 他には、肉を使えない精進料理などでは、カツオ節(イノシン酸)の代わりに

 干ししいたけ(グアニル酸)を使って、

 昆布(グルタミン酸)×干ししいたけ(グアニル酸)の出汁をとるそう。

 あとは、韓国のチゲ(鍋料理)では、貝類を鍋には必ず入れろ!という人もいる様で、

 キムチチゲとかは、キムチ(グルタミン酸)×肉(イノシン酸)×貝(コハク酸)

 といった様に、うま味を多重層的に構築している料理なんだということが分かる。

そういった、[うま味]をしっかり研究して、計算して作られている料理の極致というのが

“ラーメン”だと思っている。

ラーメンほど、食材からいかにうま味成分を取り出し、組み合わせて、うま味の相乗効果により

強力なうまみをガツンと味あわせようとしている料理はないと思う。

だから、うま味が大好きな日本人にマッチして、あれだけ流行ったんだと思う。

しかし、最近はどうにも、料理を作ったり、食べたりしていて、

【うま過ぎる】ってことが多々あるように感じる。

うま味、も、甘味と同じ様に味覚のひとつであるのなら、

「甘過ぎる」と同じ様に「うま過ぎる」があると思う。

※スナック菓子とかみたいに化学調味料たっぷりのお菓子はもはや論外。

例えば、煮物とかを作る時に、「何のだしを使おうか?」ってなったときに、

ただただ、うま味を強するために濃厚なだしを使うとか、

中に入れる具で、肉を過剰に入れすぎてしまって、肉のうま味が出すぎてしまう、とか。

うま味ってのは、塩味とか、甘味と違って、量に対する許容範囲が広い。

例えば、塩1gでちょうどいいところを、塩2gにしちゃったら、たった1gの差なのに

すっげーしょっぱくなって、食べられなくなってしまう、みたいな。

だから、今までは、「うま味成分は多ければ多いほどいい!」

って考え方だったけど、「うま過ぎる、は良くない」ってことを頭に入れて、

上手にうま味を加減していくことが大事なんではなかろうか、と思う。



ちなみ、だしを食材に含ませる時には落としぶたが、本当に便利。文明の利器だとすら思ってるからね。