調理科学

絶対に失敗しない肉料理のコツ!「火入れの科学」-[知識編]

前回記事「
」を書いたが、このままでは油そばブログになってしまうので・・・今回のテーマは「肉」!!

最近よく見かける“肉の低温調理”ってなんのこっちゃ!?
そんな疑問に答えるべく、「肉の火入れ」について[知識編][実践編]に分けて解説していきましょう!!

今回は[知識編]!!肉焼き大学開講じゃーーーーー!!! 



最近、外食業界では「肉」が空前のブームを引き起こしている!!

分かりやすく言うと・・・玩具業界に「たまごっち」が発売された時のブーム位のすごさでしょうか!!!

・・・失敬。

なぜ「肉」がこんなに流行っているか?

それは「肉の火入れ」に関する理論が明確になって、一般に認知され始めてきたことが大きな要因でしょう。

しかし、まず「肉焼き」について語る前に・・・

そもそも「肉とは何か?」をちょびっと勉強しましょうか!ネ!!

【肉とは何か?】

肉とは・・・一言で説明するならば・・・・

「水分をタンパク質で包んだ物質の集合体」

このイメージを持つことが非常ーーーーーーーに!!!重要です!!!

肉の構成要素をもっと詳しく説明すると・・・

水分:約50~70%,

筋肉タンパク質:約24~36%

脂質:約5~20%

その他:炭水化物類、ビタミン類等

です!!水分がめちゃめちゃ多いんですよ!!!もうビッシャビシャ!!

そして、筋肉タンパク質は、

ミオシン

アクチン

コラーゲン

の3種類に大きく分けられます。

で、超ざっくり言うと、

・ミオシン、アクチンはやわらかいタンパク質

・コラーゲンは、超硬いタンパク質

ということだけ覚えておいて下さい!

後に説明しますが、この3つのタンパク質は肉の火入れにとても重要な影響を及ぼしますよ!!

【肉の火入れ】

肉の火入れとはどういうことでしょうか?

それを知る為には「肉の火入れの目的」を説明しよう!

[肉の火入れの目的]

肉の火入れの目的は4つあります。

①殺菌

肉というのは、栄養たっぷりな食べ物なので細菌が発生しやすいです。

そして”細菌は肉の表面に多く発生しており内部にはあまりいない”。

だから、肉の表面を殺菌すればほとんど安全なのだが、肉の内部も殺菌する方が安全性はより高くなるわけですね!

その殺菌の為の温度と時間の相関性は以下の通り。

[温度]   [状態]

0-8度  ・増殖しないが死なない

8-15度 ・徐々に増殖する

15-30度・かなり増殖する

30-38度・激しく増殖する

38-40度・かなり増殖する

40-60度・徐々に増殖する

60度以上 ・5-10分で死滅する

100度  ・数秒で死滅する

つまり、[60度以上の温度で10分以上加熱]すれば細菌は死滅するということ!

100度とかが殺菌のイメージが強いかもしれないけど、これだとオーバーキルなわけですわ!! 

②タンパク質を熱により変性させ、弾力を増して歯切れを良くする

「肉に火を通す」

というのは、ほぼイコールで、

「肉のタンパク質を熱する」

ということになります。

そして、”熱する”というのは”温度を上げる”ということです。

では、タンパク質を何度に熱したら、どんな反応が起きるのかまとめてみました。

50度:ミオシンが変性を開始する

56度:コラーゲンが変性を開始する

60度:肉の色が変色し始める

66度:アクチンが変性を開始する

ということですが・・・ナンノコッチャ!!ですよね笑

でも、これすっごい表なんです!もはや暗記するべき垂涎レベルなんですヨ!!

まずひとつひとつ説明していくと・・・

50度:ミオシンが変性を開始する

によって、ミオシンが収縮して、弾力が生まれることにより、生肉のグニーッって食感から、ブツッと歯切れの良い食感に変えてくれる。

56度:コラーゲンが変性を開始する

コラーゲンは筋みたいで、超硬質のゴムみたいな食感ですが、この温度から徐々にやわらかく溶けていき、トロットロのゼラチン質になる。

60度:肉の色が変色し始める

真っ赤だった肉が、透明感を失ってきて、ほんのり桜色になってく頃合いの温度。

66度:アクチンが変性を開始する

アクチンは、水分をたっぷりつかんでいるタンパク質なので、熱が加わって収縮することで、水分を外に絞り出してしまう、いわゆる「肉汁」を外に排出してしまう。

って感じなんです!

「肉が硬い」って言うのには、実は2つ原因があって・・・

1)アクチンが変性しきって収縮しまくることで、硬くなる上に、肉汁を外に出しまくってしまうから。

2)コラーゲンが溶けていなくて硬い。

っていうことなんですよ!!

その2種類の原因を覚えておくことは、肉の調理に非常に重要です!

③コラーゲンのゼラチン化

コラーゲンというのは、肉の部位によって含まれる割合が全然変わってきます。

基本的には・・・

焼いて食べることの多い肉の部位には、コラーゲンは少ない

煮込んで食べることの多い肉の部位には、コラーゲンは多く含まれる

ってことです。

だから、ステーキとかにはコラーゲンは少ないし、牛スジ、ほほ肉、スネ肉、肩ロースとかはコラーゲンが多く含まれる部位ってことですね。

そして、[56度:コラーゲンが変性を開始する]と書きましたが、56度だとコラーゲンがトロトロのゼラチンになるまではかなりの長時間がかかってしまう。

実際は、70度以上がコラーゲンのゼラチン化が進みやすい温度です。

煮込み料理というのは、コラーゲンだらけで筋張って硬い肉を、じっくり煮込んでコラーゲンをゼラチン化することによってやわらかくして食べる知恵だったんですねぇ。

④メイラード反応

詳しい理論は、過去記事「絶対知るべき知識!メイラード反応!」で書いたが、

一言で言うと・・・

「肉の表面を茶褐色に色づくまで熱して、おいしい香りをつけること」

だ!!

肉の表面を155度以上に熱することで、茶色く色づいた時の、あの香ばしくなんともいえない香りが「肉が焼ける匂い」と認識される香りだと思う。

その香りをつけることで、さらに肉の食味を良くするのが目的なんですよ、ええ。

さて・・・・!!

今回は色々な数字やら理論が出てきて、なかなか混乱させてしまったかもしれない・・・

なので、超簡単に一言でまとめようと思う!!

「肉は中心温度が”60度~65度”の温度になるように火を入れると最もおいしくなる!」

だ!!これだけ覚えておけば大丈夫!!!

66度を超えれば超えるほど、肉は水分を失い、硬くなってしまう。

しかし、肉の表面を155度以上に熱することで茶色く色づけることだけは、肉の味を良くする為に推奨される調理法である。

ってとこですね!!

つまり、最近よく見かける“肉の低温調理”というのは・・・

“60度~65度の温度でじっくり火入れする肉の調理法”

ですね!!早速、次の飲み会でうんちくを披露しましょう!!

さ!次の、【絶対に失敗しない肉料理のコツ!「火入れの科学」-[知識編]】では、「じゃあ実際にはどうやって調理したら肉をおいしく焼けるのか!?」を書きたいと思います~!!

前回記事「
」もよろしくです♪