調理科学

油そば大解剖実験!その2~油そば大解剖実験!~基本六味のデザインをする~

さぁさぁ!!今回は、油そば大解剖実験の第二弾!!

「あなたも家庭でプロの油そばが作れる!!」

ようになるはずですので、是非お付き合い下さい♪

 



 

以下の結論を導き出した!!

【結論】

「中華麺の量に対して、油と、タレの分量の割合のバランス」

麺160 : 油30 : 醤油10 

この式が今後めちゃくちゃ重要になってきますヨ!!

今回は「基本六味のデザインをする」ということで、やっていくのですが・・・

基本的には・・・

“式”で考えていきます。

油そばは、構成要素が「麺・油・タレ」と超シンプルなので、それぞれの分量のバランスが命になってきます。

バランス=割合、なので、式によって割合を導き出していく、という方法が最もマッチするのですよ。

そ・し・て、その前に!

まず、基本六味とはなんでしょう?

塩味


甘味


酸味


苦味


辛味


旨味

です!!

ご存知の方も多いでしょう♪

では、油そばにおける基本六味のそれぞれのデザイン法を書いていきましょう!!

[塩味のデザイン法]

油そばにおける塩味のデザインというのは、ずばり、「その料理に塩をどれくらいの割合入れるか?」に尽きます。

塩分の量に関しては前回記事、「油そば大解剖実験!~油と、塩分量の割合のバランス~」にて、

[麺の重さ+油の量]×0.8=塩分量

という計算式のもと、、

麺160 : 油30 : 醤油10

という結論を導いたので、この式をベースに今後の式を考えていきましょう。

[甘味のデザイン法]

甘味のデザインに関しては、自分の中で、基準となる”甘味”をまず見つけることが大事!!

そして、今回の場合、”醤油を使ったタレで甘味の基準となるタレ”をイメージします。

まず、親子丼の場合だと、出汁に、醤油とみりんを1対1の同割で入れているんですが、あれだと甘すぎる。

〔もりそばのつゆ〕

かなりイメージが近い!!多少甘すぎるがこのつゆの甘味と醤油のバランスを基準値に設定しようと思う。

もりそばのつゆにには、大体醤油に対してみりんが30%の割合で入っています。

で、もりそばだと甘すぎるので、みりんの割合は、

醤油に対して20%

の割合で作ってみましょう!

てことは、

麺160 : 油30 : 醤油10 : みりん2

と式は書き換えられるわけです!!

[酸味のデザイン法]

油そばではお客自身が各々の油そばに酢をかける。

しかし、油そば屋の実際のオペレーションを見てみると、タレの中に酢は入れない。

そして、酢をかけるお客と、かけないお客は6:4か7:3くらいの割合で分かれる。

なぜかというと、基本六味の中でも酸味はかなり味の好き嫌いが分かれる。

というのは、酸味というのはもともと本能的にはネガティブな要素で、食べ物の腐敗の合図として認識される味覚であったからだ。

なので、ベーシックな油そばを作るうえでは、酸味は最初の段階からはいれずに、後で自由に追加して入れる方法にするのが良い、と考える。

[苦味のデザイン法]

苦味も酸味と同様、本能的にはネガティブな要素であり、毒素が含まれていることの合図として認識されていた味覚だ。

苦味は基本六味の中では最も高度な要素で、うまく使うと料理の味に深みが出て、とてもおいしくなる。

しかし、苦味のある料理はおいしくとも「量をそんなに食べれない」という難点がある。

少量で提供される小鉢や、ちょっとした添え物程度なら、苦味がアクセントとなって良いが、主食になるとちょっとキツイ・・・

苦い丼とか、いかにもマズそうでしょ?

そういった理由から、ご飯ものや、麺類で苦味がうまく活用されている料理はちょっと思いつかない。

なので、これもベーシックな油そばを作る上では構成要素として含まないで考えていきたい。

[辛味のデザイン法]

辛味は、過去記事「蒙古タンメン中本はなぜうまいのか?」でも説明したが、”旨味の増強作用”や”味のバランスを整える作用”などがあり、料理に積極的に取り入れていきたい要素である。

しかしながら、これも嗜好性が分かれる要素でもまたあるため、入れる量は少量とし、あとはお客に自由にかけてもらうようにする。

なので、ベーシックなものをつくる上では、

麺160 : 油30 : 醤油10 : みりん2

の、油30、のうちの10をラー油に置換して、

麺160 : 油20 : ラー油 10 : 醤油10 : みりん2

にしようと思う!!

[旨味のデザイン法]

前回の解剖実験で、グルタミン酸の旨味が直覚的過ぎて辛かった。

ので、化学調味料に頼らないで無化調でやってみよう。

その為には、グルタミン酸×イノシン酸の相乗効果によって旨味効果を倍増させたい!!

グルタミン酸は昆布に多く含まれ、イノシン酸は肉類に多く含まれる。

となると、昆布と、醤油&みりんでチャーシューを作り、そのタレを油そばのタレとして使うというのが最適な方法になってくるわけですよ!

実際に、ほとんどの油そば屋さんではチャーシューのタレを油そばのタレとして使用しているようですな!!

【総括】

色々小難しいことを書きましたが、実際にどうやって油そばを作るか?

重要なことは2つ!!

①調味料のバランス

麺160 : 油20 : ラー油 10 : 醤油10 : みりん2

②醤油ダレには、醤油10:みりん2に昆布を入れたチャーシューだれを使用する

ってこと!!

その為にはチャーシュー&チャーシューだれを作ってみましょう!!

<チャーシューだれの作り方>

◆材料

豚肩ロース 400g

昆布 10g

醤油(こいくち) 100ml

みりん(アルコール飛ばす) 20ml

◇作り方

①ジップロックに全ての材料を入れ、ジップロック内の空気を完全に抜き、密封

②炊飯器に60度の湯を張り、①をつけ炊飯器の蓋を開けたまま、保温モードにして3時間

③ジップロック内に出てきたタレを全てボウルに移し、冷まして油脂分を除く

完成

こうしてできたチャーシューダレの量を計量します。

すると、〔200ml〕でした。

ん??

液体は、醤油100ml+みりん20lmしか入れてなかったはず!!

なのに、200mlになってる!!

そうなんです。豚肉のだしが出て醤油が薄まるんです!!

でも、チャーシューのタレを使いつつも、油そばには醤油を〔10ml〕入れたいんデス!!

どうしたらいいのか!?

“チャーシューだれに含まれる醤油の含有量”を計算すればいいのです!!

ぢゃあいきますよ!!

200-(醤油100ml+みりん20ml)=80ml

80ml分豚肉の出汁がでた、と考えられます。

そして、チャーシューダレの醤油の含有率は、

(100÷200)×100=50(%)

ということになりますね。

ということは・・・・

醤油〔10ml〕を含むチャーシューだれの分量は??

10÷50%=20ml

となるので、またもや式は書き換えられ・・・

麺160 : 油20 : ラー油 10 : チャーシューダレ20

となるんですよ!!

この式が今回の最終的な結論の式。

さて、この式をもとに油そばを作って見ましょう。

<油そばの作り方>

◆材料

麺160g

サラダ油20ml

ラー油10ml

チャーシューダレ20

◇作り方

①麺をゆでる

②器に麺以外の材料を加える

③器に茹で上がった麺を加える

④器の底から麺とタレを同時にかきあげるようにして混ぜ合わせ(40~50回)、タレと油を乳化させる

完成



チャーシューダレを作った際に出来たチャーシューの表面を焼いて短冊切りにしたものと、ネギを乗せてみました♪

さて・・・お味は??

うむ!!おいしい!!

しっかり油そば!!

麺のツルツルした食感と、乳化したタレがしっかり絡んでおいしい!!

そして、塩分濃度も丁度良い!!

食べていて、かなり「油そば」を感じるので、

麺160 : 油20 : ラー油 10 : チャーシューダレ20

が油そばの最小構成要素であることは間違いない。

しかし、ひとつの料理として完成されているかというのは話が別で、この油そばの難点を挙げると・・・

①旨味が不足していて、ちょっと尖った味になってしまっている。

②単調な味になってしまうので、歯ごたえのある具がほしい。

③こってりしているので野菜がほしい。

という3点が挙げられる。

次回は、今回解明した〔油そばの最小構成要素〕から一歩進めて「最小要素以外の要素を付け加える」ということを説明していきます~!!

前回記事 「油そば大解剖実験!~油と、塩分量の割合のバランス~」もどうぞ~♪