今までCooking Maniacでは色々な料理のレシピを掲載してきましたが、我々日本人にとって、やはり一番尊い料理は「ご飯」なんじゃないかと思うんですよ。
「美味しいご飯さえあればおかずはいらない」
年齢を重ねるごとにその想いは強くなっています。
そして、美味しいご飯といえば、やはり鍋で炊いたご飯の美味しさは格別です。
しかし、たまに「美味しいご飯が食べたい」と思って鍋で炊くも、焦がしてしまうこともしばしば・・・
なんで鍋でご飯を炊くのってこんなに難しいんだろう?と考えた時に、こんな格言が頭によぎりました。
「赤子泣いても蓋取るな」
これは諸説あるのですが・・・
「鍋でご飯を炊く時は絶対に一度も蓋を開けてはいけない」
という意味合いに受け止められているケースが多く、実際僕もずっとそう思い込んでいました。
しかし、科学的な観点から炊飯を考えてみると・・・
「ご飯を炊くときは鍋の蓋を開けても大丈夫!」
という結論に至ったのです。
そして、実験を繰り返していくうちに・・・
“誰がやっても絶対に失敗しない、鍋を使った米の炊き方”
を編み出すことに成功しました!
今回はその方法をこまかーーーーく紹介していきたいと思います!
「鍋を使った米の炊き方を日本一親切に説明している記事」を目指して頑張ります!

そもそも「米を炊く」って科学的にどういうことなのでしょう?
その答えのカギは“でんぷん”にあります。
米の主成分はでんぷんであり、米の成分の中で80%近くを占めます。
でんぷんとは炭水化物の一種であり、生のでんぷんは人間が消化できないため、加熱して糊化(α化)して、人間が消化できる形に変化させてやらなければなりません。
そして、米でんぷんを完全に糊化させるためには30%以上の水分と95℃以上で15分以上加熱しなければなりません。
つまり、「米を炊く」を科学的に定義すると・・・
「米でんぷんに30%以上の水分を加え95℃以上の温度で15分以上加熱することによりでんぷんを糊化させる」
ということなんです。
だから、鍋の蓋を開けるかどうかなんて全ッッ然関係ないんです!
この定義さえ守っていれば、失敗しないようにいくらでも工夫してもよい、ということです!
さぁ、前段が長くなりましたが、ここからは“誰がやっても絶対に失敗しない、鍋を使った米の炊き方”を詳しく説明していきます!
“誰がやっても絶対に失敗しない、鍋を使った米の炊き方”のポイントは以下5点!
☆ポイント☆
誰がやっても絶対失敗しないために、計量は絶対にきっちりやりましょう!
米は計量カップなどで量るのではなく、はかりで量ってください!
今回は分かりやすく[1000g]でやりました。
生米は1合150gで、1合=1人前、の計算でご飯を炊きましょう。
米を炊く前にでしっかり吸水させることが、失敗せず、美味しいご飯を炊くために大事なステップです!
たっぷりの水を加えて60分吸水させましょう。
冬場でも夏場でも60分吸水させれば大丈夫です!
水の量は計量しなくて大丈夫ですが、米が水を吸った後に水がなくなってしまわないようにたっぷりの水をいれてください。
60分吸水させた後はこんな感じになります。
こういう風に全体が完全に白くなれば吸水は完了です!
このステップ・・・
めちゃくちゃ重要です!!
なんども実験を繰り返してみて、ここのステップをいい加減にした時に、米が焦げてしまうことが多かったです!
米の上に手を乗せて、水かさが手の指の第二関節あたりまで達したら、それが適正な水の量です。
ブーーーーーーーーーーーーーッッ!!
そもそも指の長さ、手の厚みなんて人それぞれだし、このやり方だと同じ人がやってもかなりの誤差が出てしまいます!
試しに10回計測してみたのですが、
最大で200mlの誤差が生まれました。なので、水を量るときもしっかりと計量をしましょう!
その時の計量値としては・・・
[吸水した米+水]=[生米×2.5倍の重さ]
となるようにしてください。
つまり・・・
1)鍋をはかりに乗せて0gになるように設定する
2)鍋に給水した米を入れる(水も入れてOK)
3)[生米×2.5倍の重さ]になるまで水を加える
ちなみに、[生米×〇〇倍]の値を色々と変えて実験してみました。
その結果は以下の通りです!
・2.45倍 特に問題なし
↑上記の失敗ライン(鍋底が黒焦げ、ベチャベチャ)の誤差は意外とちょっとした水分量の違いによって生まれてしまうのです。
なので、水の計量は絶対ちゃんとやりましょう!!
[生米×2.5倍の重さ]=[1000×2.5倍]=2500
ということで、[吸水した米+水]が2500gになるように計量して米を炊いていきます!
いよいよ米を炊いていきたいと思います!
僕が編み出した”誰がやっても絶対に失敗しない、鍋を使った米の炊き方”では、
[最強の火力]
[最弱の火力]
しか使いません。定量化できないものは極振りするしかないですからね。
でも、時間はきっちり計っていきます!
まずは、コンロに米&水の入った鍋を置き、最強の火力にして[6分]
なぜなら、このブログを読んで米を炊く人の鍋の材質、サイズ、コンロで出る火力は絶対に異なるため、6分で必ず蒸気が出るかは確実ではないからです!
「赤子泣いても蓋取るな」へのアンチテーゼ!
沸騰していなければ蓋を閉めて、1分単位でタイマーをかけて沸騰するまで確認します。
ただ、蓋を開けても大丈夫だですが、沸騰している場合は蓋をむやみに長い時間開けておかないこと!
蓋を開けて、水が沸騰していることを確認したら鍋底から米をかき混ぜましょう!
混ぜた後は表面を軽くならして平にしてやってください!
米をかき混ぜて蓋をしたら、次は最弱の火力にします。
タンタンタイガーのコンロだとこれが最弱。
ギリギリの火加減を狙って最弱の火力を作り出してください!
ちなみに、ここで火加減を少し強くして炊く実験をしてみましたが、ここで多少火力が強かろうが焦げて失敗することはありませんでしたのでご安心を!
そして、[15分]経ったら火を消して[20分]放置します。
さぁ、20分放置したらいよいよ完成です!!
御開帳ーーーーーーーーッッッ!!
おぉぉぉぉ・・・・!!!??
つやっつやです!
炊けたご飯の表面を見ると、米の粒が立っているのが分かりますか?
米が立つのは、米は最高に美味しい状態で炊けた証です!
念のため鍋底の状態を確認してみてもコレ!
一切焦げがありません!!
パーフェクト!!
器に盛ってみました。
う・・・・美しい・・・・
米一粒一粒がピンッピンに立っています!!
いただきます・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はぁ、うまいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・
大げさでもなんでもなく、美味しく炊けた米はおかずどころか塩すらいらない。
ただひたすら米の甘味を味わい続けたくなる。
炊飯器で炊いた米ではなかなか味わえない、ある種の特権的な味わいですね。
そこで、米を炊いてる最中に「蓋を開けて混ぜたもの」と、「蓋を開けないで炊いたもの」で味の違いが出るのか実験してみました。
「悪いけど北海道出身だから米の味には敏感なんだよね~」
「いただきます!まずはAから!・・・ふむふむ」
「次はBだね!・・・んん・・・」
「どっちがより美味しかったか・・・ねぇ・・・」
「・・・こっち・・・かなぁ・・・・?」
鈴木女史がより美味しく感じたのは・・・
B:途中で蓋を開けて鍋底を混ぜて炊いたご飯
でした!!
「赤子泣いても蓋とるな」は迷信
迷信や根拠のない格言に惑わされてはいけませんね。やはり料理は科学です!!
この条件で炊くと、これくらいの程よい焦げ目がついた米が炊けます!
分かりやすいようにレシピも残しておきますので、ぜひご参考にしてみてください♪
<誰がやっても絶対に失敗しない、鍋を使った米の炊き方レシピ>
◆材料
米 1000g
水 作り方参照
◆作り方
①米を1000g計量する
②米を研ぐ
③米にたっぷりの水を加えて60分置いて吸水させる
④米を炊くための鍋をはかりに置き[0g]に設定
⑤③の米を④の鍋に入れる
⑥[2500g]になるように水を加える
⑦鍋の蓋をし、コンロの最強火で6分加熱
⑧6分経ったら鍋の蓋を開け、沸騰しているか確認
※沸騰していなければ蓋を閉め、1分単位で沸騰の確認
⑨鍋の底を耐熱ゴムベラなどでかき混ぜる
⑩鍋の蓋をし、コンロの最弱火で15分加熱
⑪15分経ったら、火を消して20分放置
完成
間違いなく失敗なく、美味しくご飯が炊けるレシピだと自負しております!
是非お試しください~!!