“究極”シリーズ

鶏胸肉“究極のレシピ”~1.7倍に膨らむサラダチキン~

鶏胸肉の火入れ…

お家で作れるサラダチキン…

これらはSNSで定期的にバズるワード。

それだけ、人々の関心が高い料理である証…

そして、この写真を見てください!

鶏胸肉レシピ

鶏胸肉は、上手に火入れを行うとパンッパンに膨らみ、1.5倍ほどの厚みになるのです!

それをTwitterにアップしたところ…

なんと、3400いいね!がついて、プチバズ状態にまでなった!

今回の方法を用いれば、

・誰でも

・絶対にミスなく

・一番美味しいサラダチキン

を作ることができます。

逆にこの方法でミスったら、どうしてミスったのかを教えていただきたいレベル!

それでは解説していきます!

究極のサラダチキン

鶏胸肉の低温調理に感じる不満

今回の調理法は低温調理で鶏胸肉を調理していきます。

でもですね…

僕は低温調理で作った鶏胸肉の茹で鶏があまり好きではありませんでした…

僕は低温調理に対して割と早くから取り組んでいて、2015年に肉の火入れに関する記事を書きました。

それからはもう狂ったように低温調理にハマりまくり、低温調理に関する論文を読み漁っていました。
(当時は低温調理というワードが一般的でなく、関連本もあまり刊行されていませんでした)

ですが追及しすぎた結果!

低温調理で作る茹で鶏の致命的な欠点

を感じてしまい、低温調理への興味を急速に失ってしまったのです。

その欠点とは、

低温調理の欠点

①生臭い
②食感が柔らかく頼りない
③血の味がこもっている

です!

それぞれ一つずつ解説していきます!

生臭い

生臭い

一般的な鶏胸肉の低温調理レシピでは…

鶏胸肉をジップロックに入れる
油、酒、塩などの調味料&生姜・ネギなどを入れて空気を抜く
低温調理器で60~65℃くらいの温度で2~3時間加熱

という作り方をしますよね。

こうして作った鶏胸肉の茹で鶏には、生臭さを感じてしまうのです。

これは、僕が敏感すぎるせいなのかもしれませんが…

香り

まず、香りの成分というのは基本的には“揮発性”という性質を持っています。

揮発性 = 蒸発しやすい性質 

食材を加熱して温度が上がれば、香り成分はどんどん蒸発していきます。

つまり加熱によって、良い香り成分が失われてしまうこともあれば、悪い香り成分を取り除くことも出来るのです。

では、真空パックした鶏胸肉を加熱した時にどのような現象が起きるでしょうか?

サラダチキン
真空パック内で起こる現象

鶏胸肉が加熱される

香り成分が揮発

真空パック内で逃げ場がない

鶏肉内に戻る

となるのです。

これが真空パック低温調理によって、食材が生臭くなる原因なのです。

今回、僕が編み出した方法では…

この欠点を完全に解決しています!!

②食感が柔らかく頼りない

上手に揚げられた唐揚げ、上手に焼かれた焼き鳥、を食べた時…

サクッとした食感の後、ブリンとした弾力があって、噛むと肉汁が溢れてくる。

これが、上手に火入れした鶏肉の美味しい食感だと僕は思うのです。

しかし、低温調理鶏肉の場合、シュワぁ…もすもす…という、なんだか頼りない食感だと感じてしまうのです。
これは“しっとり”ともまたちょっと違った食感であると思います。

サラダチキン

そのような不思議な食感になってしまう原因は…

鶏肉が低温状態にしかさらされないからです!

例えば、低温調理器を63℃にセットして、真空パックした生の鶏肉を加熱するとします。その時の鶏胸肉の温度変化を表すと…

例:低温調理時の鶏胸肉の温度変化

加熱時間:鶏胸肉の温度
  0分: 20℃
 30分: 35℃
 60分: 50℃
 90分: 63℃
120分: 63℃

この様な推移になると仮定できるのですが、ここで重要なポイントは…

一度も63℃を超えないのです!

先述した、美味しい唐揚げや焼き鳥の弾力感というのは、鶏肉のタンパク質が収縮して硬くなったことによって生まれます。

具体的には、

68℃

この温度を超えた時、肉には、

弾力

が生まれるのです。

かといって、肉全体が68℃を超えてしまうと、パサパサになってしいます。

ここで大事なのは、肉がグラデーション状に色んな温度帯を通過していて、食感にコントラストが生まれることなのです!

火入れのグラデーション

鶏胸肉の表面1cmは68℃を超えたためプリッとした弾力がある、内側は68℃を一度も超えていないため柔らかくしっとり…

これが、理想的な食感であると思います。

今回、僕が編み出した方法では…

この食感を生み出しています!!

血の味がこもっている

しゃぶしゃぶをした時に、牛肉を鍋に入れると一瞬で湯の色が茶色く濁りますよね?

これは、肉がお湯に浸された時に、肉の水分が浸透圧によって押し出されて水中に流れ出る作用によるものです。

しゃぶしゃぶは実に理に適った調理法でして、こうして肉の臭み・雑味のもとである血を適度に抜いてから、ポン酢でしゃっきり・サッパリ食べさせようというわけです。

雑味がないクリアな味わい

というのは日本料理に於いて大事にされる味わいのひとつです。

鶏肉真空パック

鶏の胸肉を真空パック低温調理した時にも、しゃぶしゃぶの時と同じ現象が真空パック内で起こります。

真空パックした鶏肉の温度が徐々に上がっていくと、肉のタンパク質が収縮し、肉の水分が外に押し出されます。
しかし、真空パック内は圧力がかかっているので、肉の水分が外に排出しきれず肉の中に留まります。

この時に、

肉の臭み・雑味のもとである血も肉の中に留まってしまう

ので、完成時に肉から血の味がしてしまうのです…

今回、僕が編み出した方法では…

血の味もしっかり抜けています!

【レシピ】究極の鶏胸肉の火入れ方法

それでは前置きが長くなってしまいまいたが、僕が編み出した究極の鶏胸肉の火入れ方法のレシピを紹介します。

究極の鶏胸肉の火入れ方法

<材料>
鶏胸肉
水 鶏胸肉の重量の2~4倍
塩 水の1%量
生姜 鶏胸肉1枚に対してピンポン玉サイズ ※ざっくりで大丈夫
ねぎ 鶏胸肉1枚に対して1/2本

<作り方>
①お湯を沸かし1%量の塩を加える
②つぶした生姜、ネギを①に入れて、一回沸かして火を止める
③冷蔵庫から出したての鶏胸肉の皮をピンと張って、1枚ずつ投入する
④強火にして一度沸騰させる
⑤火を止めて5分間放置
⑥ボウルに鶏肉を取り出し、鶏肉の枚数×300㏄の量のゆで汁を取る
⑦ジップロックに鶏肉&ボウルに取ったゆで汁を入れて空気を抜く
⑧低温調理器で63℃‐90分
⑨ジップロックごと氷水で急冷する

という作り方になっております!
では写真付きで解説していきます!

水計量

まず鍋に水を入れますが、この時に必ず計ってください。
水の量は、鶏肉全重量の2~4倍。
今回、鶏肉を2kg使うので、2.5倍の5kg用意しました。

水の量は、鶏肉がしっかり水に浸るようであれば2~4倍のどの量でも大丈夫です。

塩計量

水に対して1%の塩

この塩がほんのり胸肉に下味をつけるので重要です。

もし、正確に測るハカリがない方は、“ラーメンのスープ”と同じしょっぱさを目指してください。
そのまま飲んだ時に塩味がして美味しい、そんな塩気。

この時の塩分濃度が1.0%だろうが1.2%だろうがそこまで仕上がりは変わりませんのでご安心を。

生姜つぶす

茹で湯に入れる生姜は潰すと香りが立ちます。

ネギ折る

ネギは折って入れると繊維がつぶれて、香りがよく出ます。

スープ

生姜・ネギを入れて一度沸かします。

スープ味見

塩分濃度をハカリで計測した量ではなく、味見で決める方はこの工程で塩を加えてチェックするのがオススメです。

ただの塩味の湯を味見するより、ネギ&生姜の味わいが溶けている方が“美味しい塩分濃度”という感覚が分かりやすいです。

鶏胸肉

鶏胸肉は普通の2kgのものを使いました。

『調理する前に常温に戻すように』

というレシピもありますが、今回は冷蔵庫から出したてを推奨します。
理由としては、常温に戻す過程で雑菌が繁殖してしまうリスクがあるからです。

例えば、冬場の室温15℃で6時間放置と、夏場の室温32℃で6時間放置は全く状況が違います。
このような曖昧さを回避するためにも、室温戻しをしなくても良いレシピを開発しました!

鶏胸肉レシピ

鶏胸肉を1枚ずつお湯の中に投入していきます。
この時に皮をピンと張ることで、皮も美味しく仕上がります。
雑にドカッと加えるよりも、できれば手ザルなど使って1枚ずつ丁寧に投入するのがベストです!

中華スープ

すべての鶏肉が投入されたら、強火で一度沸騰させてください。

この工程で鶏胸肉は確実に100℃の湯温にされされます。

100℃の湯温にされされた鶏胸肉の表面側にギュッと熱収縮が起きます。

この時に、

肉々しい弾力が生まれる

のです!
極めて大事な工程です!

タイマー

沸騰したら即座に火を消して5分放置します。

※読者様からのコメントで肉が薄い場合は時間を早めた方が良い、とアドバイスいただきました!
250g以下の鶏肉であれば3分放置が良いです!

この5分間の間に、じんわりと熱が入っていくのですが、その過程で鶏肉のエキスがある程度茹で汁に流出します。

その過程で、

血の味&臭みが抜ける

のです!!

鶏胸肉レシピ

5分経った鶏胸肉を引き上げます。

見てください!!

このパンッパンに膨らんだ具合を!!
これは、鶏胸肉に急激な熱収縮が起き、身の中の水分が熱膨張したことにより膨らんでいるのです!
このパンッパンな膨らみを保ったまま、最後まで仕上げていきます!

鶏胸肉レシピ

引き上げた鶏肉を別鍋orボウルに移して、ゆで汁をかけます。

そして、5分放置してください。

300㏄レードル

鶏胸肉1枚に対して300㏄が理想です。
このようなレードルがあると便利ですが、ない方は大体コップ1.5杯分という計測でも構いません。

ここでの量の過多はそれほど重要ではありません!

温度計測

ここで、このめんどくさい工程を挟む理由は、

茹で汁の温度を下げるため

です。
この工程を挟まず、ジップロックに鶏胸肉と茹で汁を入れると63℃を超えた液体と肉なので、肉が煮えすぎてしまうのです。

何度も計測した結果5分あれば、間違いなく63℃を下回るのですが、温度計がある方は5分を待たずとも、計測して63℃以下になっていたら大丈夫です。

この温度計がダントツ一番オススメです。安価なのに温度が正確で、防水仕様!
僕はお店で7年間毎日使ってますが、いまだに壊れていません。

温度計測

ちなみにこの時の鶏胸肉の芯温は57.9℃

ここから、食べても安心な芯温まで、

確実に温度をコントロールする

そのために低温調理器で後押しをする、というのが今回のメソッドです。

生焼け鶏胸肉

この時点だと、やや生感が残っています。
サクサクじゃなくて、ザクザクした食感。

ここから5℃芯温が上がれば美味しく食べられるのですが、このたった5℃の間に食感が劇的に変化するのが低温調理の面白い点です。

スープ

そしたら、ジップロックに鶏胸肉&ゆで汁を加えていきます。
ゆで汁は、先ほどの温度を冷ましたものにしてくださいね!

目安としては、鶏胸肉1枚に対して300㏄!
まぁ、ざっくりでも構いません!

真空パック

ご存じかもしれませんが、ジップロックの口を少しだけあけて、バケツなどにあけた口が入らないようにに沈めて、水圧でジップロック内の空気を押し出します。
そして、素早くジップロックの口を閉じれば真空パック完了!

真空パック

完璧!

ここで、他の低温調理と違うところは、ゆで汁がこんなにたっぷり入ることです!

ゆで汁がたっぷり入る方が、真空パックによる圧力が肉に直接かからないので、肉に負担がかからないんです!

これが肉をパンッパンに仕上げるコツです!!

低温調理

63℃‐90分で低温調理にかけていきます!

↓内閣府‐食品安全委員会

https://www.fsc.go.jp/foodsafetyinfo_map/shokuhniku_teionchouri.html

この温度の理由は、

内閣府‐食品安全委員会が推奨している鶏胸肉の火入れが、
芯温63℃‐30分間維持
でカンピロバクターが死滅する。

であったためです!

その基準に合わせて、
63℃の芯温が確実に30分以上維持できる調理法が今回の方法です。

<仕上げ温度について>
63℃の芯温が確実に30分以上維持
が国が推奨する火入れ、という前提を踏まえた上で、
色々な温度帯を試してみました。
その結果、

61℃ > 62℃ > 63℃

の順で美味しく仕上がりました。
63℃以下の1℃単位による変化は劇的です。
しかし、61℃を下回ると、ザクザクした生っぽい感覚がうまれてしまいました。
僕は、この食感が苦手で、本能的に「アウト」と感じてしまいました。

飲食店で提供するなら食品衛生義務として、63℃を上回るべきだと思いますが、個人的に楽しむ分には61℃までは温度を攻めてもいいのかな?というのが僕の見解です。
僕は何度も61℃の鶏胸肉を食べていますが、今のところお腹を壊したことはありません。

ちなみに低温調理の時間目安は、
62℃ー2時間
61℃ー2時間30分
が良いでしょう。

あくまで自己責任でお願いします!

低温調理器はやはりひとつ持っておくと、格段に料理の可能性が拡がるのでオススメです。
僕は昔購入した業務用のものを使ってますが、今ならBONIQがイチバンだと思います。

もしくはこちらのアイリスオーヤマのものであれば1万円を切るのでオススメです。
友人が持っていたので使わせていただきましたが、全く問題なく使用できました!

急冷

低温調理後は、速やかに氷水or流水で冷やしましょう!

ここで急激に締めることで、

①皮に張りが生まれる

②肉にゆで汁の旨味&塩分が染み込む

③雑菌の繁殖が軽減され衛生的に良い

と一石三鳥です!
茹で上がりをすぐ食べるなら、この工程はなくても構いません!

冷蔵庫に保管

氷水20分以上
流水40分以上

冷やしたら即座に冷蔵庫に入れます!
封を一度も開封しなければ4~5日は保存可能です!

レシピのポイントおさらい

こちらが今回のレシピのポイントです!

①1%の塩水を沸騰させて鶏胸肉投入、再沸騰
 →鶏胸肉に“美味しい弾力”が生まれる
②火を止めて5分放置
 →血や臭みが抜ける
③ゆで汁ごと真空パックして低温調理する
 →肉に圧力がかからないためパンパンに仕上がる
④低温調理器63℃で90分
 →肉を確実に安全な温度にして滅菌する

上記4ポイントを抑えれば、確実に究極のサラダチキンが作れます!!

実食!

鶏胸肉レシピ

はい!ドンッ!!

パンッパンに膨らんでいます!!

鶏胸肉を持っただけで、弾けんばかりの張りがあります!

さて、生の状態からどれくらい膨らんだのか、計測してみました。

鶏胸肉厚み

生の状態では約3cmの厚みがありました。

鶏胸肉レシピ

低温調理後は、なんと約5cmまで膨れ上がっています!!

約1.7倍!!

完璧な仕上がり!!

鶏胸肉レシピ

太白ごま油を少しだけ垂らして食べてみました。

噛むとまずはしっかりとした弾力を感じます!
そしてサクサクした食感のあと、パサつきは一切なく、滑らか食感が舌を撫でます。
その後に旨味と塩味を湛えた肉汁がジュワリと溢れ出す。

最高じゃーーー!

正直、ここまでのクオリティの茹で鶏にはレストランでもあまりお目にかかれません。

塩分濃度1%の塩味に付けているので、味もしっかり染みていて、タレをかけなくてもうまい…

鶏胸肉レシピ

それでも、ごはんやお酒に合わせてしっかりめのおかずにしたい!

という方は、ニンニクダレをオススメします。

【レシピ】万能ニンニクダレ

オイスターソースと醤油を1:1でブレンド
味の素 ひとつまみ
刻みニンニク 少々

コレ、肉を食べるときの万能タレなので覚えておいて損はないです。

よだれ鶏

さらにコレを発展させるとよだれ鶏になります!

器に先ほどのニンニクダレを注ぐ。
その上に、生野菜、鶏胸肉を乗せる。
上から、たっぷりのラー油&花椒をかける。

これだけで、極上のよだれ鶏が完成します!

蒸し鶏さえ仕込んでおけば、色んな料理に発展させられて凄く便利です!

低温調理の応用レシピ

よだレバー

今回紹介した低温調理の方法を応用すれば、よだれ鶏ならぬ

『よだレバー』

究極の茹で豚

または、こんなにプリっぷりな、

茹で豚

ができちゃいます!

このまま低温調理を極めきりたい方は…

続編の記事も併せてお読みください!!

それでは!

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